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妄想小説「香りは記憶」 Vol.3 〈FUEGUIA 1833〉のJacarandá

新作香水を僅か10行ほどの妄想小説で表現し、お届けします。スタイリスト・梶雄太が物語るのは、リリースでは表現しきれない、香りの記憶。実際にその香りからインスパイアされた恋愛ドラマは、不思議な余韻を残します。甘酸っぱい恋もあれば、爽やかな別れも。あなたはどの香りを選びますか?

illustration: Kazue Kuranaga / text: Yuta Kaji

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『モテ期』

文・梶 雄太

前の彼女と別れてから
モテ方が異常だ。
まさみ、りえ、のぞみ、ひとえ
LINEにメッセージ、DMに電話まで。
タイプの違う女性たちに、デートに誘われすぎて選べない。
こんな時はニルヴァーナのSmells Like Teen Spiritだ。
ボリュームをマックスまで上げる。勢いにのって目の前のテーブルをひっくり返した。
もう全員と遊んでやろう。

香水のディスプレイと店内

〈LE LABO〉から、京都でしか手に入らない待望の香りが誕生

整える / PR

2010年にアルゼンチンのブエノスアイレスで生まれた〈フエギア 1833〉。厳選した天然原料の採取から生産や販売に至るまで、すべてを自社で管理。作られた香水は時期によって香りに差が出るということで、ボトルにはシリアルナンバーが振られる徹底ぶりで、クラフツマンシップとイノベーションとサステイナビリティが凝縮されている。このブランドの面白いのはそれだけではない。創業者のジュリアン・べデルはエキゾティズムを重んじるため、商品の一つずつに奥深いストーリーがあるのだ。ギャラリー(店舗をこのように呼ぶ)を訪れたら、スタッフがお客さんに応じてびったりな香りを見つけだしてくれる。

〈FUEGUIA 1833〉Jacarandá

〈fueguia1883〉のJacaranda

ストーリーはこんな一節から始まる。「ハカランダの花が霧のかかった窓の向こうに咲き、19世紀のギターの音が静寂を破る」。ハカランダは、ギターなどの材料としても知られる、ローズウッドの一種。ボトルは印象的な真っ赤な液体で満たされている。温かみのあるウッドノートの協奏曲に、レザーの重厚さがレイヤーされた不思議な香りだ。

【トニックノート】ローズウッド(つけた瞬間)
【ドミナントノート】マホガニー(長く余韻を残す)
【サブドミナントノート】スプルース(個性)

原産国:ウルグアイ(生産国はイタリア)
内容量:100ml
*ボトルにシリアルナンバー入り46,200円(税込)

FUEGUIA 1833 Roppongi (フエギア イチハチサンサン ロッポンギ)

TEL:03-3402-1833
公式ホームページ:https://fueguia.jp/products/jacaranda

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