マンガで描かれている時代背景や設定、モチーフに関する知識があれば、物語の解像度がぐんと上がって見えるかもしれない、と感じたことはあるはず。もちろん、よくできたフィクションはそれらがなくても読者を存分に楽しませてくれるものだけど、知識を得たことでキャラクターのなにげない言動が異なる意味を持ちだしたり、一見無関係に思えたシーンがつながったりもする。あの名作、この名作に、別の角度から光を当ててくれるような、マンガを持って出かけたくなるミュージアム。
『天幕のジャードゥーガル』をもっと面白く読むなら、豊岡市立日本・モンゴル民族博物館へ
知られざるモンゴルの歴史、宗教、暮らしを体感
兵庫県豊岡市の自然豊かな但東町にある、日本でも珍しいモンゴルをテーマにしたミュージアム。但東町は町おこしの一環として、80年代からモンゴルと交流してきた経緯があり、在モンゴル日本国大使館に勤務していた人物(のちの2代目館長)が、膨大な資料を町に寄贈。念願のミュージアムが1996年に開館した。館内には移動式住居ゲルが再現され、家具や生活用品などの展示を通して、草原での暮らしをイメージできる。シャーマニズムやチベットの影響を受けた仏教美術も興味深い。
『ディノサン』をもっと面白く読むなら、ベネックス恐竜博物館へ
復元ロボットとして現代に蘇った恐竜と遭遇!
長崎県では、2004年に大型植物食恐竜の化石が発見されたのを機に、1,300点以上の化石が採掘された。その現場に近い野母崎(のもざき)に立地する博物館で、ここで採掘された化石を含む180点以上の標本を展示。見どころは、全長約13mにも及ぶティラノサウルスの全身骨格レプリカや、最新の学説に基づいて羽毛や鱗を再現した復元ロボット。『ディノサン』の世界が現実になったような感動が。同じ〈長崎のもざき恐竜パーク〉内には恐竜がモチーフの遊具や軍艦島資料館も。
『タケヲちゃん物怪録』をもっと面白く読むなら、湯本豪一記念日本妖怪博物館・三次もののけミュージアムへ
《稲生物怪録》の舞台で、妖怪たちと戯れる!
本作のモチーフは《稲生物怪録》という、江戸中期の三次を舞台にした、ベストセラーの妖怪物語。そんな妖怪と縁の深い三次(みよし)に、妖怪研究家の湯本豪一が自身のコレクション約5,000点を寄贈して設立されたのが、このミュージアム。常設展『日本の妖怪』では、絵巻や錦絵、玩具などから、妖怪と人々の生活の密接な関わりを紹介。同じく常設展の『稲生物怪録』では本や絵巻を中心に、実在した主人公と歴史背景、物語の魅力を解説。