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エバースの初全国ツアー開幕!野球しかやってこなかったからこそできる漫才を

結成10年目、初の全国ツアーを開催。初戦である宮城・仙台公演を終えた2人に、ツアーのことや、漫才師としてのこれからを聞いた。

photo: Kazufumi Shimoyashiki / text: BRUTUS

2024年『NHK新人お笑い大賞』優勝、『M‒1グランプリ』では初の決勝進出で4位など、数々の賞レースで結果を残すお笑いコンビ、エバース。両者共に野球経験者であり、特に佐々木は強豪野球部で主将を務めた。漫才にもその頃の精神が宿るという。

「面白さの感覚は、野球部だったからこそ培われたものがある気がしています。今考えたら意味わかんないぐらい怒られてたりしてた(笑)。そういう、理不尽さの中にある面白さがお笑いにはある。学生時代にずっと野球しかやってこなかったからこそ作れるネタだと思います」(佐々木)

佐々木隆史(左)、町田和樹(右)
左から佐々木隆史、町田和樹。

意味がなくても、かっこいいと思うことを貫く

佐々木隆史

町田が初日の朝、ネタ合わせに5時間遅刻して来たんですよ。初の全国なので、今回こそは余裕を持ってできるかと思ったんですけど、いつも通りでした。

町田和樹

11時間くらい寝てました。

佐々木

ツアータイトルに入っている「ワインドアップ」は野球用語です。振りかぶって投げる動作のことなんですけど、現代の野球だと、もうほぼ全員セットポジションから投げるんですよ。動作が多いし、時間がかかるしで、意味ないとされているから絶滅してきている。それでも、意味ない動きこそかっこいいし、ロマンがあるんじゃないか、っていう、ちょっとかっこつけた理由です。

町田

めっちゃ良いタイトルだと思います。

佐々木

漫才でも、わかりやすく笑わせようとしてないけど、自然な会話で面白いみたいなのがかっこいいなと思います。

町田

自分たちの年齢とか生活に合っている方が、噓がなくてかっこいいっすね。

佐々木

僕のイメージでは、このツアーで新ネタが洗練されていって、最後の大阪には、それまで作ったネタの中で、強いやつだけが残る。今年で結成10年目ですけど、さらに10年後でも、毎年単独ライブをやって、全国ツアー即完。あとは、有名人になっていたい。

町田

やっぱ、僕の10歳上ぐらいの先輩とか見て、あ、まだこんな感じでバチバチにやってんだなって思うと、すげえなって。

佐々木

バチバチ?喧嘩してるってこと?

町田

いや(笑)、本当に自分たちが面白いと思うことでやってるというか。だから今の僕らみたいな10年後輩に、そう思われるような存在になってたら、すごい素敵ですよね。