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ドストエフスキーってハードルが高い?入門におすすめの3冊

食わず嫌いカルチャーをはじめる。難しそう、古くさそう、クセが強そう。興味はあるけど、何かとハードルが高く、食わず嫌いしているカルチャーがある。一体どんな作品から入れば楽しめるのか、その面白さをよく知るプロたちに、はじめ方を聞いた。

text: Keisuke Kagiwada

教えてくれた人:三宅香帆(書評家)

あらすじと登場人物を
把握してから読む。

名作の誉れ高い文学の中でも、とりわけハードルが高いのがドストエフスキーの小説だ。実際、書評家の三宅香帆さんも「登場人物が多くて、名前も覚えにくいんですよね」と話す。
そんな三宅さんが編み出した打開策が、「ネットや文庫解説であらすじと登場人物を把握してから読む」というもの。

ネタバレ厳禁な人にはご法度にも思えるが、「ドストエフスキー作品の面白さは、登場人物が思想を戦わせる会話場面など、物語からは脱線した部分にもある。あらすじなどを頭に入れておいた方が、その魅力に気づけると思います」と三宅さん。

「もちろん、それでも難しい部分もありますが、わからないところは気にせず飛ばして、『カラマーゾフの兄弟』であれば“あそこの兄弟、仲悪いらしい”という世間話を立ち聞きするみたいに読んだり、あるいは一人の推しキャラを見つけてその人物に注目して読み進めたり、まずは気張らずに接してみるのがいいんじゃないでしょうか。

登場人物がひたすら思い悩む話が多いので、仕事を辞めて休職中のタイミングや、人生がうまくいってないときに読むと、染みますよ」

入門におすすめの3冊。