CBD
犬もCBDで“チル”する時代⁉
麻に含まれる成分「CBD(カンナビジオール)」は鎮痛効果・不安解消効果があるとされ、近年は病の痛みや不定愁訴の緩和だけでなく、リラックス=“チル”するために摂取する人々が、特にアメリカの若年層を中心に増加している。オイルやグミ、ボディクリームなど種類も多様化が進み、ついには犬用の製品(オイルやカプセルなど)が登場。
犬のてんかんやがんの補助療法としての活用、さらには飼い主と一緒に“チル”を楽しむ犬も増えそう。が、科学的なエビデンスはまだ少ないので、より広く情報を集めて、判断することが大切だ。
遺伝子検査
祖先を知って、攻めの「予防」医療
がんや生活習慣病といった病気へのかかりやすさなど体質を分析できるといわれ、予防医療の手段として利用者が増えている遺伝子検査に、なんと犬専用キットが登場。
例えば《Wisdom Panel》を使って綿棒で採取した犬の唾液を指定の研究センターに送ると、250種以上の犬種が登録されたデータベースを基に、どんな犬の血統がどの割合で含まれているのかわかる詳細なレポートが届けられる。遺伝的に腸が弱くなりがちなヨークシャー・テリアの血統が強いことがわかれば下痢にならないよう食事に注意するなど、愛犬との接し方も変わるはず。
イスラエル
犬の楽園はイスラエルにありました
犬と健康の関係を調べていて行き着いたのがイスラエル。噂によると、人口に対する犬人口(?)が世界一で、どの子ものびのび暮らし、長生きらしい。自身も愛犬家である駐日イスラエル大使館広報官のリバット・エッセル=マリンスキーさんによると、なかでもすごいのがテルアビブ。
「同市は人口構成的に25〜34歳の独身男女が集中している。それらの若い世代のカップルは結婚して子供を持つ前に犬を飼い始める傾向があるんです。その結果、犬専用のパークやドッグフレンドリーなビーチなど、自由に遊べる施設が増え、犬たちがストレスなく暮らせる環境が整備。年間318日が晴れと、気候に恵まれていることも、犬大国への後押しとなっています。
政府も人と犬が共生する社会作りに積極的で、飼い犬の国家登録制度があったり、日本でいう農林水産省にあたる省庁の働きかけで狂犬病の予防も徹底しているんですよ」
Spotify
うちの子にぴったりなプレイリストが作れる⁉
スコットランド動物虐待防止協会とグラスゴー大学の研究によれば、犬の多くはレゲエとソフトロックを聴くときに最もリラックスするという。そう、犬だってお気に入りの音楽を聴きたいのだ。Spotifyがリリースした「Pet Playlists」は、社交的orシャイ?など、愛犬の性格に関する質問に答えると、パーソナライズ(ドッガイズ?)されたプレイリストが生成されるサービス。ついに犬もサブスクの時代に突入⁉なんてね。
ブロックチェーン
“電子カルテ”でどこの病院でも安心治療へ
誰にも改変できないデータベースを実現し、ビットコインなどの暗号資産に活用されたことで話題となった「ブロックチェーン」を使った犬用プラットフォームも登場している。
愛犬の病歴や血統を記録して病院間や飼い主間で共有する“電子カルテ”のようなものから、プラットフォーム内で犬用グッズが買える独自通貨(!)を発行するもの、愛犬の顔写真をデータベース化して体調の変化を推測するものまで、その種類はさまざま。こうしたシステムが普及すれば病院間で正確な情報が共有できるようになり、医療の質やスピードも向上するはずだ。
インターコミュニケーション
人の幸せと犬の幸せを結合する
「ドッグヨガ」や「ドッグダンス」のように愛犬とともに行うエクササイズは、単なる「運動」ではなく、人間と犬が相互に影響を及ぼし合う「インターコミュニケーション」といえる。2019年に『Scientific Reports』誌で発表された論文によれば、飼い主のストレスや不安が飼い犬に伝わることがままあるのだという。
犬の幸せを考えるとき、犬のために何ができるか、献身的に動くのはいいのだが、まずはその人自身の心身が健康であることが最優先。飼い主がストレスフルでは、犬も不安定な状態になる。つまり、犬のウェルビーイングは人のウェルビーイングと直結しているし、相互に作用しているともいえる。飼い主が幸せを感じられることが、犬の幸せへの一番の近道なのだ。だから一見、飼い主がただ犬を付き合わせているように見えなくもない(⁉)ドッグヨガも大いに有用なのだろう。
IoT(Internet of Things)
ビッグデータで体調を最適化だワン!
Apple WatchやFitbitが心拍数や運動量を記録してくれるように、身近なIoTデバイスで健康データを分析・管理する人は増えているが、近年は首輪に付ける犬用デバイスも急増している。
犬がよく訪れる場所のマップ化や獣医との健康データシェアなど、犬用デバイス独自の機能も充実。毎日計測することで犬の体調やその変化を意識するようになり、食事の量の調節や病院へ行くタイミングの判断なども最適化されるだろう。ただし日々のデータを気にしすぎると、飼い主の不安が犬へと伝わりかえって悪影響(!)なのでほどほどにね。