暮らしに必要不可欠なお金。お金にまつわる事柄も時流に合わせた変化を見せている。
金融経済教育推進機構
これまで金融教育は日本銀行が事務局を務めてきた金融広報中央委員会が長年中心となり、教材作りなどが行われてきた。しかし2023年に入り岸田政権が掲げる資産所得倍増プランに金融教育の国家戦略が盛り込まれ、金融経済教育推進機構が2024年中に設立される予定となった。
金融教育が重要視される背景には、超高齢社会を迎えるにあたって国民に若いうちから資産形成をしてほしいという国の意図がある。だが金融教育の目的は学習指導要領と同じ、生きる力を育むことであり、資産形成の知識はあくまでも金融教育の一部にすぎない。本来の定義が変わってしまわないか今後見守る必要がある。
BNPL
Buy Now Pay Later(今買って、後で支払う)の略であり、海外で普及している後払い決済手段の一つ。クレジットカードのような信用調査がなく、電話番号などをアプリで登録するだけで利用できるメリットがあり、日本でも若い層を中心に利用者が増えつつある。
しかし手軽に利用できる半面、海外では若年層の債務不履行などが問題に。キャッシュレス決済が普及する中で、お金の価値観について考える重要性を認識させられる仕組みでもある。
グレートリセット
第二次世界大戦後から続いていた利益追求の経済システムはさまざまな問題を生み出し、現在では立ち行かなくなっている。そこでいったんリセットをしようという考え。消費者が社会的課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うエシカル消費はその好事例といわれており、実際にハイブランドをはじめグレートリセットの考えがすでに広まりつつある。
トキ経済
Z世代を中心にタイムパフォーマンスを意識したタイパ消費が増加する中で生じた消費トレンドの一つ。例えば個人データと引き換えにSNSなどのサービスを無料で利用できることが象徴するように、現在ではデータがGDP(国内総生産)に表れない通貨外経済として動いている。
だが今後はある技術を持つ人同士が互いの作業時間を交換するなど、時(トキ)も通貨外経済として普及していく可能性がある。なにせ時間は、お金の価値尺度機能以上に(⁉)世界共通の数量化ができるのだから。