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険しい道のりを乗り越えてでも食べたい!山梨と長野の、おいしい山小屋

山歩きによる疲労と空腹は、最高の調味料⁉……でも、せっかくなら、険しい道のりを乗り越えてでも食べたいと思える料理がいい。おいしい工夫が詰まった、食事にこだわる山小屋を集めました。

初出:BRUTUS No.871「CAMPとHIKE」(2018年6月1日発売)

text: Chihiro Kurimoto

富士見平小屋(山梨県・秩父多摩甲斐国立公園)

山小屋初の地ビールと、土日限定の鹿肉ホットドッグ

小川山、瑞牆山(みずかきやま)、金峰山の分岐点。山小屋初のオリジナル地ビールがある。八ヶ岳の猟師から仕入れた新鮮な鹿肉で作るソーセージは、夕食には5種盛りが提供される。土日限定で鹿肉ホットドッグも。

山小屋 丸川荘(山梨県・大菩薩嶺)

「ヒミツ」の隠し味が決め手、朝食のとろろかけご飯

電気は通らず、発電機もない、「ランプの山小屋」。朝食の定番はとろろかけご飯。隠し味は6種類くらいの薬味で、中身を聞いてみるも、「ヒミツ」とご主人。これまでに当てた人は2人だけいるとか。主人に挑戦して、全部当ててみよう!

ヒュッテ大槍(長野県・槍ヶ岳)

山小屋と思えないクオリティに脱帽!登山客同士の会話が弾む理由は…

槍ヶ岳から900mの、東鎌尾根上に立つ山小屋。峰と峰とを繋ぐ稜線上にありながら冷凍食材はほぼ使わない。ほかの登山客との会話が弾むよう、パスタはあえて大皿をシェア。ウェルカムワインやドリンクバーなどのおもてなしにも感服。

嘉門次小屋(長野県・上高地)

囲炉裏で焼くイワナの塩焼きは遠赤外線効果でふっくら

1880年、猟師の上條嘉門次が建てた小屋が前身で、現在は登山客を迎える山小屋に。囲炉裏(いろり)で焼き上げるイワナの塩焼きは頭から尻尾まですべて食べられる軟らかさ。宿泊客には夕食で提供。昼はイワナ定食も。

鷲が峰ひゅって(長野県・霧ケ峰高原)

ランチメニューは一品のみの潔さ。シンプルなチキンカレー

亜高山植物の豊富な八島ヶ原湿原の西側にある客室5部屋の小さな山小屋。フランス料理店で修業したご主人が作るコース料理は宿泊客のみの提供。昼食の特製インドカリーは前日正午までに予約すれば日帰り客でも味わえる。

八ヶ岳オーレン小屋(長野県・八ヶ岳)

お昼はボルシチ、夜は桜鍋。 二大名物を味わおう!

八ヶ岳の真ん中に立つ小屋。麓の茅野(ちの)市ではすき焼きといえば馬肉の桜鍋が一般的。常連への裏メニューとして出したところ、評判だったため夕食の定番になった。昼食の一番人気は、お肉ホロホロ、ジャガイモホクホクのボルシチ。

ヒュッテ入笠(長野県・入笠山)

絶品のビーフシチューは、午前中に売り切れることも

ゴンドラでアプローチできるため登山入門者にもおすすめの入笠山(にゅうかさやま)に立地。地元の食材を使ったメニューや焼きたてパンが評判。中でも牛の塊肉を数日かけて煮込むビーフシチューは数量限定の超人気ランチ。

北沢峠 こもれび山荘(長野県・北沢峠)

シェフによるメニューはどれも本格的。地元産の生ビールも提供!

甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳の玄関口。シェフがいることでも有名で、人気のスープカレーや、ドラフトで提供する南信州の地ビールをぜひ。