自分好みのカスタムで、憧れのスタイルを楽しむ
築約50年の住宅はル・コルビュジエの下で学んだ最後の日本人建築家といわれる進来廉(すずきれん)が手がけたもの。この個人邸と巡り合い、より快適に過ごせるように手を入れたのは本誌でお馴染み、インテリアスタイリストの川合将人さん。
「文化財的な価値もある物件だし、取り壊したら二度と手に入らないからこそ、施主や建築家の目指したものを理解しながら、当時のイメージを損なわないように努めました。現代的にアップデートして、長く愛することが大事ですね」
直線を強調したフォルム、色や素材感を絞った潔さなど、要素を絞り込んだ完成度の高い建築だけに、リフォームで手を加えるにも最小限がいい。
「天窓の取り方や、採光のためのガラスの使い方などは、この時代だからこそ表現できた意匠や工法があって、これを新築で造るのは難しいんです。キッチンやバスなどの水回りは、古い設備は使えませんから、現代の暮らしに合うようにフルリノベしています」
一方、ボクシーなシルエットやラフなグリル周り、クラシックなフロントフェイスに丸形ランプなど、往年の名車のスピリットはそのままに、ほかにはない個性が新車で手に入る〈DAMD〉のlittle D.。それは、名建築を実用に適した仕様へとモダナイズする作業とアプローチが真逆だが、目指す地点は近い。新しいコンプリートカーの楽しみ方がここにあるのだ。
フロントはボリュームアップしたボンネットにマットなグリル。前後には直線的なバンパーと丸形ウィンカーランプ。タイヤやオリジナルのホイール、マッドガードなども遊び心が満載だ。サイドビューもシックな佇まいで、現行の新車とは思えない、英国クロスカントリー然としたクラシックさが溢れている。ウッド使いがポイントのルーフラック(52,800円、ベースは別売り)もオリジナルで。