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〈C.P. Company〉が三陸のサシコギャルズに恋をした。伝統と革新が織りなす未来を見据えたコラボ

「テクノロジーと伝統の融合」をテーマに、イタリアのスポーツウェア〈C.P. Company〉と岩手県大槌町のサシコギャルズがコラボレーション。世界の注目を浴びるSASHIKO(刺し子)が、ローカルからグローバルへと化学反応を起こしていく様子をメイキング映像とともにお届けする。

photo: Masaya Fantasista / text: BRUTUS

染まり方が異なる複数の生地を組み合わせて出来上がった一着のウェアに、製品染めを施す〈C.P. Company〉のガーメントダイ。最先端のオリジナル生地を使用したスポーツウェアは、絶妙なカラートーンを纏い無二の存在感を放つ。マッシモ・オスティが導き出した現代のクラフトマンシップは、約半世紀の長きにわたりイノベーティブで実験的なモノ作りを繰り返し、一つのレーベルとしては驚くべき数のアーカイブを生み出した。それらの一部をまとめた図録だけで400ページ以上の超大作となったほど。

バイス・プレジデントのエンリコ・グリゴレッティは日本を訪れた際に、日本のとあるモノ作りに目を奪われ、ひとつのアイデアを思いつく。「テクノロジーと伝統の融合」という、彼らがインスピレーション源にしてきたものを、日本らしく体現できる相手との協業。それは意外にも宮城県の大槌町をベースに活動する「サシコギャルズ」だった。東日本大震災以降、復興を目指して活動してきた地元の40〜80代の女性たちによるプロジェクトだ。

保温や補強を目的に、木綿糸の刺繍で、幾何学的な模様を布に施していく刺し子は、主に東北地方に伝わる技法で、海外においてもBOROなどを通じて知られている。三陸エリアにある大槌町に伝わる伝統技法ではなかったが、2011年の被災をきっかけに、復興を目指してNPO活動の一環として始まった大槌刺し子。2024年から「サシコギャルズ」に名前を変更し、ビジネス面においても自立した組織でいられるよう、装いも新たに地盤固めをして活動を続けている。

古くから継承されている伝統的な刺し子であれば、下絵に沿うように針を入れ、緻密な幾何学模様を描くことが多い。しかし、復興のタイミングから始まる大槌の刺し子の活動はもっと自由で、もっと革新的なところを目指した。例えばスニーカーに刺し子を施したり、ぬいぐるみやリュックなどに刺し子をしたり、刺繍のパターンに制限を設けなかったり、針目のピッチが自由だったり。伝統に止まるのではなく解釈の幅を広げて、サシコギャルズならではの自由な表現の在り方を模索し続けてきた。この14年間で培ってきた彼女たちの革新は、そのまま〈C.P. Company〉のイノベーションとも重なるのだ。

今回のコラボレーションのベースボディになるのは、ブランドを象徴するクロームRオーバーシャツ。柔らかいナイロン素材で、ミリタリー要素の色濃いシャツには、最新のテクノロジーで開発されたオリジナル生地3種を使ったポケットを追加してアレンジ。そこに刺繍を施していく様子を取材させてもらった。サシコギャルズへのオーダーは数点のポイントを指定された以外は、ランダムかつ自由に刺すということ。普段刺し慣れた綿とは違い、柔らかくて目の詰まったナイロン素材は、針を通すのも最初はひと苦労。それでもお喋りをしながらも淡々と作業は進んでいく。

こうして生まれた一点ものが、数量限定15着のみ、販売される。

今回は、サシコギャルズによるメイキングストーリーを「ブルータス」が動画でも撮り下ろした。イタリアと大槌町のクラフトマンシップが、未来に向けて新たな道を切り拓こうとする過程が記録されている。モノの背景に生まれた新たなストーリーは、着る者に共感を与え、その価値を増していく。ここで生まれたジャケットには、両者の確かな手仕事と、未来への希望が詰まっているのだ。

今回のコラボレーションは、4月2日(水)より伊勢丹新宿店メンズ館 6Fのポップアップストアで先行販売されるので、ぜひ足を運びたい。