コーデュロイのセットアップは、あの子とぼくをつなぐ特別なアイテム
近所に洒落たコーヒーショップがオープン。そこに通うのが最近のマイブームだ。ほんの少しの距離だけれど、向かうときはちょっとオシャレして行くことに決めている。それはきっと、窓際の位置にいつも座っている“あの子”のせいなのかもしれない。今日は、上品なコーデュロイ素材が気に入った下ろしたてのセットアップで、少し大人っぽい着こなしを意識してみた。新しい服のおかげで高揚感に満たされ、気分も上々。店に近づくにつれて心も躍り出す。小上がりになったウッドデッキに足をかけると、ガラスの反射でキラキラ光る彼女の姿が。よく見ると襟の形は違うけれど、光沢感が美しい黒いコーデュロイのセットアップを着ているみたい。無意識に目で追ってしまった彼女と突然のアイコンタクト。わずか1秒足らずのその瞬間が、不思議と長くスローなものに感じた。そのマジックタイムが解けると、泳いだ視線をエントランスに向け、“特別”な店の扉に手をかける。