乗り捨てではなく所有!ありそうでなかった自転車サブスク。バルセロナの〈クレタ〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回はスペインの気になるサービスを紹介。

text: Yuki Nakamori / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.期間を決めて自転車を自宅保管するスタイル。
2.高セキュリティの専門錠を提供、盗難に備える。
3.修理は48時間以内に専属の職人が対応する。

ありそうでなかった自転車サブスク

年バルセロナ市内では自転車レーンが増え、コロナ禍前と比べると、2022年の自転車利用者は23%も増えたというデータがある。一方で事故が増加し、法整備も必要とされる中で「自転車をさらに身近なものにしたい」と考えたのが〈クレタ〉の共同創業者の一人フォルク・シーゲルだ。

クレタの自転車に乗る人
黄色と黒が映えるデザイン。現在は電動アシストが全体の登録の75%を占める。

米国、コロンビアなど世界各地で暮らした彼が、バルセロナの不動産サイトの運営会社で同僚だったディエゴ・カサベを誘い、2020年7月に2人で開業。当初は自転車どころかロックダウンで外出禁止の時期が続き、出資者探しも苦労したというが、現在の業績はすこぶる好調だ。

遡ること2007年、バルセロナ市営の乗り捨て式自転車貸し出しサービスが始まってはいたものの、〈クレタ〉は自分だけの自転車を所有し、修理費用も月額に含まれるという新しいスタイルをとっている。2023年3月現在、登録ユーザー数は2,500人以上。メインは子育てや仕事で忙しい30代半ばから40代半ばの年齢層だという。バルセロナとバレンシアに修理とアフターサービスの拠点を4ヵ所構え、スタッフは合計30名。今年の夏にはマドリードにも新店舗がオープンする予定だ。

「スペインで電動アシスト自転車の良さをもっと広めたいんです。汗をかかずに動けるのも、夏場とても暑くなるこの国では大きな利点ですから」とフォルク。所有とレンタルの中間を行く新サービス、日本でもブレイクしそう⁉

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