3つのポイント
1.家庭有機残留物を回収しコンポストにして宅配。
2.国内29都市、中米や欧州にコミュニティ拡大中。
3.バイオトイレの普及活動や回収もスタート。
環境改善に挑む参加型プロジェクト
メキシコではゴミを分別せずに埋め立て地に放置するため、二酸化炭素の発生や、土壌・水質汚染が深刻な問題となっている。首都圏の1日のゴミ量は約13,149トンで、その6割以上が埋め立て地行きというのが現状だが、政府の対応は鈍い。そこで声を上げたのが、地球温暖化対策を大学で専攻した環境活動家、ヘラルド・モンテス・デ・オカが発起したゴミの再利用プロジェクト、HAGAMOS COMPOSTA(「みんなでコンポストを作ろう」)だ。
2017年に首都メキシコシティから車で1時間半ほどの、メキシコ州ショナカトランの祖父が所有する土地で、近隣の家庭の有機残留物を回収し、コンポストにして還元する作業を一人で開始。その行動に多くの仲間が賛同。国内29都市と中米や欧州にまで広がり、これまでに約2,000トンの有機残留物が肥沃な土へと生まれ変わっている。
参加者は350ペソで登録後、指定バケツに有機残留物がたまったらドライバーに連絡。1バケツ回収につき70ペソを支払い、同量のコンポストと交換する。水洗トイレが1回の洗浄で5ℓもの水を使うことを危惧し、水を無駄にしないバイオ(乾燥)トイレの普及や回収活動も1年前からスタート。「サステイナブルで公正な社会を目指すための一つの選択肢であり続けたい」と理想を熱く語るヘラルド。コミュニティの力を活用したフードロスや環境への取り組みは日本でも実現可能なはずだ。