レバノン出身の店主による、コミュニティに根ざしたニューヨークの独立系書店

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回は、ニューヨークの独立系書店を紹介。

photo: Naoko Maeda / text: Azumi Hasegawa / edit: Hiroko Yabuki

連載一覧へ

3つのポイント

1.デザイン関連書籍や児童書、詩集を揃える。
2.SWANAエリアの作家にフォーカス。
3.自然派のアイスやキャンディも展開。

レバノン出身の店主による、コミュニティに根ざした独立系書店

グリーンポイントの閑静な住宅地に佇む〈ストーム・ブックス・アンド・キャンディ〉は、文化的な情報発信とコミュニティスペースを兼ね備えたブックストアだ。アートやデザイン関連の出版物や児童書、詩集を取り扱ううえに、エコロジーの実践やSWANA(南西アジア・北アフリカ地域)のクラフトに焦点を当てたワークショップも頻繁に開催している。

アートや子供たちが作ったオブジェが並ぶ。

レバノン出身で、グラフィックデザイナーとしてキャリアを持つ店主のヌール・サバーいわく「アーティスト主導のプログラムを通じて、ディスカッションや交流の場を目指しています」。書籍の発売記念はもとより、パレスチナの詩の朗読会、植物学者を招いた子供向けのセミナー、アラブのお守りを手作りするポップアップ、タトリーズと呼ばれるパレスチナの伝統刺繍を創作するワークショップなど、イベントも多種多様だ。

店があるのは1940年代にソーダファウンテンであった建物。リノベーションしたところ、ファサードから「キャンディ」と「アイスクリーム」の文字がお目見えした。そのあまりの美しさから保存することに決め、看板にマッチするようアイスと飴も販売することにしたのだという。すぐ近くに小学校があるので、子供が安心して食べられるように、保存料や人工甘味料の少ない自然派由来のものを厳選。「お店を通じて、地域社会のつながりも大切にしたい」というヌールの思いが表れている。

STORM BOOKS & CANDYの店外

連載一覧へ