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シェフも料理好きも夢中!フランスの食材で造るパリ産味噌〈MY FERMENTATION〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回は、フランスの食材で造るパリ産味噌を紹介。

photo: Shiro Muramatsu / text: Chiyo Sagae / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.パンやキクイモなど仏産食材を使った味噌。
2.〈ノーマ〉発酵ラボで経験を積んだ店主の店。
3.ガストロノミーシェフとの発酵コラボも多彩。

シェフも料理好きも夢中!フランスの食材で造るパリ産味噌

パリの和食人気と浸透は、新たな局面を迎えている。「レストランで味わう」から「自宅でも」へ。調味料は輸入食材から自国生産へ。なかでも味噌は注目株。地産地消やエネルギー問題などエシカルな意識の高まりを背景に、発酵食品の健康効能と複雑で豊かな旨味が、人々を惹きつけてやまない。

バターナッツの味噌
バターナッツの味噌。日本の味噌より塩分を控えることで素材の風味が際立つ。

マレ地区に店とアトリエを構え、発酵食品を製造・販売するユーゴ・シェーズの味噌は特筆すべきだ。大豆だけでなく、赤豆、ルピナス豆、キクイモ、バターナッツに加え、店を間借りする老舗ベーカリー〈ポワラーヌ〉のライ麦パンを原料に手造りする個性豊かな味噌が勢揃いする。

3ツ星店で修業を積んだ料理人の彼が発酵食品の虜(とりこ)になったのは、2017年の来日以来。北海道のレストランで働き、醤油や味噌、酒蔵を訪ねた。帰国時に〈ノーマ〉の発酵ラボの求人を見つけ、デンマークへ。地元食材で発酵食の研鑽を積み、技術と確信を得て帰国した。

フランス産の様々な食材で試作し、辿り着いた食材の選択基準は「それぞれが原料由来の個性を宿すこと」。確かにライ麦パンは力強く、かすかな香ばしさが潜み、皮も種も使うバターナッツは甘く、わずかな渋味を宿す。生き生きと発酵の力を伝える風味に触発され名だたるフレンチシェフらがレシピ開発に役立てているという。ほかにも季節ごとに食材の異なるコンブチャやたまり醤油などユーゴの発酵食品のファンは確実に増え続けている。

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