3つのポイント
1.大自然を舞台にした移動式のサウナカート。
2.計9エリアで展開。水風呂は近隣の海や湖。
3.利用者同士のつながりを強め地域のハブに。
NZの大自然と、人との交流を満喫できる移動式サウナ
サウナによる安らぎや他者とのつながり、幸福感を皆に広め、分かち合いたい。そんな思いを込め、2022年にNZ北島のマウント・マウンガヌイで始まった、移動式サウナのムーブメント〈サウナ・プロジェクト〉が広がりを見せている。
サウナは車で牽引する車輪付きのボックススタイルで、国内の専門ビルダーが手作業で造り上げる。北島西海岸のタラナキ地方で営業する一台の外壁はイトスギの一種・マクロカーパ、内装はマツ製。フィンランド式で、ガムの木を燃やし火山岩を熱し、85~95℃という高温を維持。アロマ水のロウリュウで蒸気を発生させる。
窓の外には高い空とどこまでも続く海が広がり、遠海洋保護区まで見渡せる。水風呂の役割を果たす海が入るたびに違った様相を見せるとは、定期的に通う女性2人組。雨の日もまた一興で、体を優しく冷やしてくれる。
管理者のジェフ・ゴリンジは、サウナの一番の恩恵を「人と人とのつながり」だと強調する。自然と高揚感が高まり幸せな気持ちになれるだけでなく、隣同士に座り汗を流すことで、知らない者同士でも打ち解けやすいというのだ。
その証拠に〈サウナ・プロジェクト〉のリピーター率は高く、デジタルデバイスと距離を置き、他者と交わる絶好の機会となっている。さらにはサウナフェスなどのユニークなイベントも好評。新たなローカルコミュニティの構築に欠かせない存在となっている。