シティポップ。昭和の音楽がますます人気だから。
国内外の老若男女から、昨今ますます人気のシティポップサウンド。70~80年代のレコードの一部は数年前では思いもよらないほどの価格に高騰している。
ラジオ日本の番組『クリス松村の「いい音楽あります。」』などで、界隈の音ツウから支持を集めるクリスさんは、一曲一曲に当時の文化や情景をも投影させている真のフリーク。
「なんてことのない画も音楽一つで素敵なシーンになる」と話すだけに、良い音楽がかかる映画にも人並み以上に敏感。「シティポップというジャンルの定義は曖昧だけど、70年代からレコードのライナーノーツで確かに使われてきた言葉。私的には、リゾートや都会への憧れが詰まった音楽を指すと思っていて。
もちろん、それらの憧れをテーマにした映画の多くにはシティポップの存在がある。
スキーを題材にした映画『私をスキーに連れてって』の音楽はすべて松任谷由実さんだし、サーフィン映画の『ビッグウェイブ』はほぼ山下達郎さん。
『スローなブギにしてくれ』は南佳孝さんの曲と相まって映像がより都会感を増しているし、『波の数だけ抱きしめて』も海に合う洋楽がふんだんに使われている。
DVD化されていない映画で言えばハワイを舞台にした『ハワイアンドリーム』も竹内まりやさんが楽曲を提供している。ほら、これって全部リゾートや都会がテーマのものじゃない?
結局シティポップってこうした空気感への憧れから生まれているの。じゃあそのパイオニアは誰?って考えると、私は加山雄三さんがその一人なんじゃないかと思う。
例えば『エレキの若大将』。育ちが良くてハンサムで、曲も自分で作っていて、隣にはマドンナがいる。
『ハワイの若大将』では海外旅行が夢のような時代から、ハワイで撮影したり、サーフィンしたり。まさに憧れを体現した男。海や街に憧れるお洒落さんには、ぜひこのあたりの映画を観てもらいたい。
専門的な話は抜き。まずは映画の世界に浸って、そして素直に良い音楽に出会ってほしい!」