持続可能性の国際的な認証も取得!若い世代主導のプロジェクトが話題
台湾の北部、基隆港の北東に位置する和平島は、豊かな地質景観と歴史を誇り、古くから景勝地として知られてきた。2017年からは基隆出身の若者で結成された「宏岳國際」という組織が運営を手がけ、環境保護と経済発展のバランスを取った持続可能な観光地づくりを進めている。入場客数をコントロールするべく、プロのガイドによる少人数ツアーを催行。地質観察から海洋教育、先住民族のアミ族の集落体験まで、自然や歴史、文化をディープに学べる多彩なコースが評判だ。
また「ゼロ廃棄物」を推進し、園内では使い捨ての紙コップや洗剤は使わず、リサイクルカップや天然塩で代替。ビジターセンターでは漂流木を用いたアクセサリーなど、海洋廃棄物を用いたグッズを販売するほか、アート作品も展示。食堂では石花凍(寒天ゼリー)など、地元の食材を生かしたデザートや料理を提供する。
和平島は日本統治時代には「社寮島」と呼ばれ、沖縄出身の漁民が多く暮らした土地でもある。彼らの足跡を記念した「琉球漁民慰霊碑」もあり、2020年と2021年には沖縄との交流イベント「共島季」も開かれた。こうした取り組みは内外で高く評価され、2020年にはアジアで唯一、英国規格協会(BSI)による「ISO 20121(イベント・サステナビリティ)」の認証を取得。さらなる注目を集めている。