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世界からお届け!SDGs通信ソウル編。都心に森を造り、大気汚染や猛暑から歩行者を守る2大プロジェクト

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はソウルから!

text: Reiko Fujita / edit: Hiroko Yabuki

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「街路樹森の道」と「風の道の森」、2つの緑化プロジェクトが進行中

クルマ社会の韓国において、大気汚染対策は重要な課題のひとつだ。特に人口の50%以上が密集する首都圏では、PM2.5やPM10などの粒子状物質の濃度が高まり、外出を控えるよう呼びかける注意報・警報が発令されることもしばしば。

こうした中、ソウル市は山林庁と連携し、幹線道路沿いや小学校の通学路を中心に合計10万平方メートルの「街路樹森の道」を造成する都市緑化を進めている。マツやクヌギ、ケヤキ、メタセコイアをはじめ、大気浄化に適した成長の早い樹木113種を歩道に植えてPM2.5などの有害物質を削減。遊休地には植物とともにベンチを設置して“市民の憩いの空間”を創出する。さらに歩車道境界ブロックを雨水貯蓄タンクなどの設備に変えて活用し、日照り・豪雨・猛暑などの異常気候に備える取り組みも始まっている。 またソウル市北部に位置する冠岳山や北漢山の風を都心へと誘導する「風の道の森」造成プロジェクトも進行中だ。これは河川や道路沿いに樹木を植えて風の通り道をつくり、比較的気温が低く澄んだ山の空気を都市部に流すという試み。緑と澄んだ空気、さわやかな風に包まれた過ごしやすい街づくりへの期待が集まっている。

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