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世界からお届け!SDGs通信 ロンドン編。政府とガチ対立する、草の根的な難民支援

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はロンドンから!

text: Megumi Yamashita / edit: Hiroko Yabuki

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さまざまな民間の慈善団体が著名人も巻き込んで活動中

EU離脱後も英仏海峡をゴムボートなどで渡ってくる難民が後を絶たないイギリス。そんな彼らを締め出そうと躍起な現保守党政権だが、その中でも無情な政策を打ち出しているのが、スエラ・ブレイバーマン内務大臣だ。

リシ・スナク首相と同じく両親はインド系の移民ながら、「スエラ」という名前はイギリス的な「スー」と「エラ」を合体したもの。自身のルーツより、生まれた国、イギリスへの忠誠を打ち出し「国民の想いを代弁し、違法な移民難民を締め出す」と息巻く。

それに対して、「まったく国民の声を反映していない」との反発の声は多く、海に浮かぶ巨大なハシケを難民宿舎にする計画や、ルワンダに難民を移送するなどの案も、いまだに実現できていないのが現状だ。

そんな彼女が敵対視するのが、難民を支援する各種の慈善団体。衣食住の提供から法的なサポートまで、ボランティアを中心にした慈善活動こそ、実はイギリスの伝統なのだ。

1951年から活動するRefugee Councilをはじめ、Refugee Actionなどの難民支援団体は複数あり、俳優のエマ・トンプソンやダニエル・ラドクリフなど有名人も参加し、難民支援のキャンペーンを展開する。

食を通した支援活動をしているのはRefugee Community Kitchenだ。英仏海峡のフランス側の町、カレーの難民キャンプ、通称「ジャングル」で始まった活動で、ロンドンなどで食事の無料配布を定期的に継続する。

また「ジャングル」の様子を捉えた映像ドキュメンタリー『On Our Doorstep』も公開になっている。そのほか、各エリアでも地道な支援運動は枚挙にいとまがない。政治的な判断に任せず、自主的に行動するのがイギリス人らしさなのである。

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