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世界からお届け!SDGs通信 メキシコ編。過剰食品を半額以下でパッケージ販売する「Cheaf」

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はメキシコシティから!

text: Miho Nagaya / edit: Hiroko Yabuki

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食の救済から生まれたアプリが提供する
店も利用者もニッコリのサービス!

メキシコでパンデミックが始まった2020年初頭、飲食店の営業が規制され、テイクアウトか宅配のみの状態が半年近く続いた。これにより廃業した店は9万店舗に及ぶ。当時Uber Eatsのメキシコ北部、西部担当ディレクターだったキム・ドゥランは、飲食店の経営難やフードロスを解決するため、過剰食品を定価の半額以下でパッケージ販売するプロジェクト「Cheaf」を2020年6月に始めた。

当初はメキシコシティの飲食店5店舗のみが登録した、ホームページと通話アプリのグループチャットを組み合わせた簡素なものだったが、徐々に拡大し、メンバー数が250人を超えたため、同年9月にアプリとして本格的に始動。現在は国内3都市で600店以上が登録している。

利用者は有名レストラン、大手ファミレス・チェーン、ヴィーガン系飲食店、グルメ系スーパーなどの幅広い選択肢の中から、パッケージを予約。アプリでカード決済した後、営業時間内に出向き、予約したパッケージを受け取る。メキシコのフードロスは、毎年2000万トンとされるが、同アプリは開始から18ヵ月で実に250トンの食料を救出。

今後はフードバンクの設立や、ラテンアメリカ全域へも進出を計画中とか。「Cheaf」の熱い挑戦は続く。

メキシコ Cheafのアプリ
ダウンロードは無料。10万人以上のユーザーがいる。写真提供:Cheaf

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