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世界からお届け!SDGs通信 ロンドン編。オークの細木を裂いて編み上げるバスケット〈Oak Swill〉

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はロンドンから!

text: Megumi Yamashita / edit: Hiroko Yabuki

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木の再生力と職人の技がなせる、
絶滅の危機にある湖水地方の工芸

定期的に木を低い位置で切り、その切り株から育つ複数の若木を生育する「Coppicing (コピシング)」という手法。木の再生力を生かしながら雑木林と共存する知恵は、日本の里山でも見られるものだ。細い丸木は主に薪用に使われてきたが、それを薄く裂いてバスケットに編み上げる湖水地方に伝わる伝統工芸が、Oak Swill(オーク・スウィル)である。

かつては日常生活から農作業、石炭の運搬などに幅広く使われ、Oak Swillの生産自体が一つの産業にもなっていた。残念ながら工業製品の普及で産業は衰退し、作り手(Swiller)も激減。今ではOwen Jones,Lorna Singletonなど職人は数えるほどに。英国Heritage Crafts の絶滅の危機にあるクラフトのレッドリスト入りしている。

オーク・スウィルの作り方はへーゼルの細い丸木を熱で曲げたものを枠に、数時間煮て柔らかくしたオークの細木をリボン状に裂いたもので編み上げるというもの。素朴かつ美しい佇まいは、まさに「用の美」といったところだ。森のメンテナンスや再生のためにも再発見してほしい伝統工芸なので、興味のある方はぜひリサーチしてみてほしい。

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