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世界からお届け!SDGs通信 バンコク編。食品ロス削減アプリで売れ残りをお得に購入

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE?  CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はバンコクから!

text: Chinami Hirahara / edit: Hiroko Yabuki

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食品ロス削減アプリ〈Yindii〉で
人気店の売れ残りをお得に購入

タイは食の宝庫だ。だが一方で大量の食品ロスが発生しているのも事実。タイで発生する廃棄物の約64%は食品であり、その量はなんと年間1700万トン、バンコクだけでも1日に約5000トンもの食品が廃棄されており、問題となっている。

そんな中、2020年7月に食品ロス削減を目的としたアプリ〈Yindii〉がローンチされ、一躍話題となった。在日日本人にも人気の高い高級クロワッサン専門店〈Mikazuki〉、有名レストランやカフェ、〈centara grand〉他5つ星ホテル、高級スーパー〈Gourmet Market〉など、タイ国内200以上ものプレミアムショップと提携し、売れ残ったら廃棄されてしまう過剰食品を最大80%オフで購入できるのだ。

CEOのLouis-Alban Batard-Dupre氏はこう語る。「実際には高品質なのに、ただ単に営業時間内に売れ残ったために、棄てられてしまう。〈Yindii〉は、小売りから消費者へと高品質な過剰食品を繋ぐために誕生しました。世界で生産される食料の33%、年間15億トンもの食品が残念ながら埋立地へと廃棄されますが、その処理時に排出される二酸化炭素量は、地球上の全二酸化炭素量の10%以上を占めると言われています。当然気候変動への影響も深刻です。私たちの活動の目標のひとつは、地球環境の改善なのです。〈Yindii〉で消費者が購入するひと箱ごとに、2.5kgの二酸化炭素の排出を抑えることが可能です」

提供者は食品廃棄を減らすことができ、消費者は自宅にいながらおいしい食事をお得に楽しめる。それが地球の気候変動を食い止める活動にも繋がる、と三方良し!な取り組みなのだ。

Yindii

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