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世界からお届け!SDGs通信 バンコク編。現地密着型のツアーで山岳民族の暮らしに触れる

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はバンコクから!

text: Chinami Hirahara / edit: Hiroko Yabuki

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山岳民族・リス族の村に滞在して、暮らしや文化に触れるエコツアー

18年にわたりタイにおける持続可能な観光の形を提案し続けてきた「アジアンオアシス」。「2021 World Luxury Travel Awards」の「東南アジアのネイチャーディスティネーション」部門で表彰されるなど、その取り組みが世界で認められている。

「アジアンオアシス」の理念は、“人と人が繋がり、互いに学び合い、世界に存在する多くの文化や伝統への理解を深めること”。「旅をすることで人々と触れ合い、昔から受け継がれてきたカルチャーをリスペクトすることこそが、それらの保存に貢献すると同時に環境や社会生態系に与える悪影響を最小限に留めることができると考えています」と担当者は話す。

同社の顔ともいうべきエコツアーは、山岳民族の自然遺産を保護することを目的に生まれた地域密着型プロジェクトである、タイ北部・チェンマイで暮らすリス族の村に滞在するツアー。田んぼや果樹園に囲まれた田園風景の中にある村人たちが運営するロッジに宿泊し、リス族の暮らしを体験できる。米や野菜など村で有機栽培された食材を使った地産地消の料理をいただき、伝統舞踊や歌を一緒に楽しむ。日中はのどかな村の中を散歩したり、田畑に出かけ農業体験や茶摘みを手伝ってみたり。代々受け継がれてきた習慣や生活様式を肌で感じることで文化も、村人たちの雇用も守られる。とはいえ、堅苦しいことを考える必要はない。ただ純粋に旅を楽しむことで、持続可能な旅が実現しているのだ。

素朴だけれど自然の恵みをふんだんに享受しながら暮らす村人たちとの穏やかな時間は、「心を豊かに潤してくれる」と好評だ。同時に、利便性を求めて進む環境破壊への疑念が湧き上がり、問題意識を持ついいきっかけになったという声もあがっている。

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