Listen 2024.10.8 Listen 聴く 2024.10.8 カネコアヤノ、忌野清志郎、スピッツ。あの人も猫ソングを歌ってる 気高さ、自由、愛。ミュージシャンたちが猫を通してさまざまな心模様を歌う象徴的な“猫ソング”を、猫好き音楽ライターが解説。 本記事は、BRUTUS「猫になりたい。」(2024年10月1日発売)から特別公開中。詳しくはこちら。 text, select: Ryohei Matsunaga, Katsumi Watanabe あの人も猫ソングを歌ってる カネコアヤノ 中川翔子/細野晴臣 忌野清志郎 スピッツ B'z 山口百恵 モーニング娘。'16 黒猫同盟(小泉今日子/上田ケンジ) 矢野顕子 東京事変 クレイジーケンバンド cero BUMP OF CHICKEN 柴田聡子 文・選 松永良平、渡辺克己 カネコアヤノ 「腕の中でしか眠れない猫のように」 夜の帳が下りる頃には猫のようさ帰りを待っている素っ気ないふりした態度で「腕の中でしか眠れない猫のように」 カネコアヤノ作詞/カネコアヤノ (2020) 気まぐれに見えて、実はルーティン化している行動。猫とパートナーを重ねたラブソングかと思いきや、実は「本人と愛猫による実生活の描写ではないか?」と思えるリアルな歌詞がグッとくる。ルーズなバンドサウンドで表現した、2020年発表のシングル。(渡辺)中川翔子/細野晴臣 「ネコブギー」 ネコネコ・ニコニコ・ニコブギー「ネコブギー」 しょこたん♡はるおみ 作詞/細野晴臣 (2015) 2015年放映の猫アニメ『おまかせ!みらくるキャット団』テーマ曲。愛猫家・中川翔子と細野晴臣によるデュエット。「ネコネコ・ニコニコ」という言葉遊びも、猫歩きのリズム=ブギーなリズムも、細野晴臣らしさが猫とぴったりマッチしていて楽しい。(松永)忌野清志郎 「ぼくの目は猫の目」 ぼくの目は猫の目 暗い中で光るのさニャオ ニャオ ニャオ ニャオ「ぼくの目は猫の目」 忌野清志郎 作詞/忌野清志郎 (1992) ソロ活動を開始した忌野清志郎が、1992年にNHK『みんなのうた』に提供した、かわいらしい猫ソング。猫になりたくて暗闇で目を凝らす子供と、猫自身の気持ちとが曲の中でスイッチするのが最高。音楽の中でなら、僕らはいつだって猫になれる。(松永)スピッツ 「猫になりたい」 猫になりたい 君の腕の中 寂しい夜が終わるまでここにいたいよ「猫になりたい」 スピッツ 作詞/草野正宗 (1994) 猫ジャケアルバムの金字塔『名前をつけてやる』やシングル「猫ちぐら」など、猫モチーフの多いスピッツによる1994年の作品。疲れたら猫のように甘えて、眠りたい夜だってある。そんな気持ちを、鮮やかなエレアコの音色に乗せて歌った、隠れた名曲。(渡辺)B'z 「CAT」 夜毎 ニャオニャオうさをはらしてミルク色の夢をごらんよそして僕に戻れ「CAT」 B'z 作詞/稲葉浩志 (1997) 1997年リリースの『SURVIVE』収録。気分屋な猫の生態に、女性の心理と行動を重ねたミドルテンポのラブソング。稲葉浩志による猫愛溢れる歌詞へのアンサーか、犬派の松本孝弘が“ミャオーン”と聞こえるギターフレーズを用意している。愛が過ぎます。(渡辺)山口百恵 「猫が見ている」 今夜も灰色の猫がだまって私を見ているトタン屋根に寝そべってのぞいてるわ 私の心を「猫が見ている」 山口百恵 作詞/小谷 夏 (1979) LAで録音された1979年発表のアルバム『L.A.Blue』に収録。サウンドは百恵流・AORだが、歌詞では、「甘い流行に流されてはしゃぐなよ」とトタン屋根の上から、猫が彼女をにらみつける。作詞の“小谷夏”は演出家、久世光彦の筆名。猫の魔眼力!(松永)モーニング娘。'16 「セクシーキャットの演説」 セクシーキャットになれたら夜中もふざけてじゃれあったりしたい寂しい夜の匂い「セクシーキャットの演説」 モーニング娘。'16 作詞/つんく (2016) モーニング娘。の62枚目のシングル。猫は自らの愛くるしさを把握し、自分をかわいく見せる計算式を持つ。しかしその一挙一動を、ピュアな行動だと信じている人間もいる。そんな猫(アイドル)の絶妙な心理を推測し歌にしたつんく♂さん、さすがです!(渡辺)黒猫同盟(小泉今日子/上田ケンジ) 「にゃんこの哲学」 にゃんこ にゃんこ にゃんこ かしこいなにゃんこ にゃんこ にゃんこ ぼくのにゃんこ自分の名前を知ってます「にゃんこの哲学」 黒猫同盟 作詞/上田ケンジ (2024) 小泉今日子と上田ケンジによる音楽ユニット〈黒猫同盟〉の最新猫ソング。小泉のPodcast用に楽曲が必要だったことと、お互いに黒猫飼いだったことから結成。ポール・ギャリコの本『猫語の教科書』(ちくま文庫)と併せて、“猫の哲学”を学びたい。(松永)矢野顕子 「湖のふもとでねこと暮らしている」 とどいた手紙読んでほしいと ねこが甘える「湖のふもとでねこと暮らしている」 矢野顕子作詞/矢野顕子、宮沢和史 (1991) 音楽家として尊敬する忌野清志郎作詞の「山のふもとで犬と暮らしている」のアンサーソングとして、1991年発表『Love Life』に収録。尊敬を集めながら自由に見えた清志郎を、少しだけ猫に譬えている感もある。なお矢野自身はNYで猫と暮らしている。(渡辺)東京事変 「黒猫道」 退いた退いたほーらオレサマのお通り“不吉。”と、嫌われて丁度好いかまうなよ人間関係「黒猫道」 東京事変 作詞/椎名林檎 (2007) 歌唱法はシャンソン風。変幻自在に変わる曲調は、よく動く仔猫の瞳のようで、テクニックを重視するこのバンドならでは。自らの所属事務所を〈黒猫堂〉と名づけるほど、愛猫家である椎名林檎。歌詞には、我が道を行く黒猫の、孤高な気高さがある。(渡辺)クレイジーケンバンド 「猫」 まわる猫の目のように悲しみだけが猫滑り「猫」 クレイジーケンバンド 作詞/crazyken (2008) CKB横山剣の一途な恋をもてあそぶ、あのコは性悪猫?歌い出しの「猫猫みたいなコ」という言葉の響きは、猫を呼び寄せるおまじないみたいに聞こえる。狡猾ですばしっこい猫をとらえきれない悲しみを表現した「猫滑り」に猫文学賞をあげたい。(松永)cero 「Double Exposure」 原子炉のように喉を鳴らす猫と夢の記憶 辿るあなた「Double Exposure」 cero作詞/髙城晶平 (2018) 2018年のアルバム『POLY LIFE MULTI SOUL』の収録曲。楽曲のテーマからは関係のない場所に猫が登場する。しかし、猫を撫でるときに聞こえる“喉ゴロゴロ”を生命の原子炉に譬えたその描写は、猫飼いである髙城晶平ならではの、秀逸な観察眼。(松永)BUMP OF CHICKEN 「ガラスのブルース」 ガラスの眼をした猫は唄うよ大きな声で りんりんと「ガラスのブルース」BUMP OF CHICKEN作詞/藤原基央 (1999) 1999年の『FLAME VEIN』収録。気高くも隠しきれない愛らしさを併せ持つ、猫の鳴き声やヒゲの揺れを“りんりん”と表現した藤原基央。もちろん自身も愛猫家で、独自の視線が窺える。ライブの際にファンの合唱が起こるほど人気の猫ソングでもある。(渡辺)柴田聡子 「心の中の猫」 さびしむし楽しむし腹に乗る膝に乗る風呂のふたに寝そべる心の中 猫が居る「心の中の猫」 柴田聡子 作詞/柴田聡子 (2019) 2019年のアルバム『がんばれ!メロディー』に収録された、小気味の良いリズムとブルージーなギターが印象的な一曲。亡き愛猫との思い出を、ここまでポップに歌えるのは、一緒に暮らした光景や、温もりが今も鮮やかに残っているからではないだろうか。(渡辺) 特集「猫になりたい。」をチェック! #猫 #音楽 #音楽家 デイリーブルータス #744 あんニャとこにも、こんニャとこにも。 猫の品種は60種以上。世界の猫図鑑クイズ、全5問に挑戦! かわいらしさに思わず悶絶!猫好きに嬉しいアイテム11選 Videos 動画 【11/15発売】沁みる映画。 Videos 動画 【11/15発売】沁みる映画。