朝はフグ、夜はヌタウナギ。海辺の市場で初めての味を体験!
韓国第2の都市である釜山。観光施設も充実しているが、その最大の魅力は市場にある。中でも規模が大きいのは海沿いにあるチャガルチ市場。市場棟の外には600mほど続く場外市場があり、魚介を売る露店が並ぶ。
朝7時頃、カラフルなパラソルが開くのをサインに、店主のアジメ(おばちゃん)と値引き交渉するアジメたちの元気な声が響く。海辺の街ならではの活気ある日常だ。

サバやタチウオなど庶民的な魚の中に、カニやアンコウなど日本では高級食材とされるものも交じる。市場の周辺で복어(フグ)の看板を掲げる食堂を見つけて入ると、ぶつ切りにしたフグを煮込んだスープを出してくれた。
滋味深いだしにふわふわの身。「塩以外何も入れてないよ」と誇らしげにアジメが言う。残った汁にご飯を入れて雑炊風にすると、これまたウマい!ご飯におかずが付いて1万5000Wという値段も、海辺の市場だからこそだ。
チャガルチ市場には夜の顔もある。夕方、パラソルが閉じられると屋台街の明かりが灯る。多くはコムジャンオクイ(ヌタウナギ焼き)の店で、店先にある水槽からウナギに似た深海魚・ヌタウナギを取り出しては豪快にさばき、練炭で網焼きにしてくれる。
弾力のある身は嚙むほどに脂がしみ出し、牛豚のホルモンにも似た食感。これをつまみながらソジュ(焼酎)をちびちびやるのが地元流だ。気づけば丸1日市場で過ごし、ほろ酔いで帰路へ。釜山の市場を、人の暮らしを、もっと知りたい。