OUTER WEAR
再生素材でつくった軽量ダウンアウター
生産工程で出る糸くずをもう一度原材料へ戻し、再利用したリサイクルのナイロン生地を開発。高品質な750フィルパワーのダウンを用いることで、ふんわりと軽く、暖かいのが特徴。
INNER WEAR
一枚でもあったかな冬のインナーウェア
〈無印良品〉の冬の新定番として登場したのがこの「あったか綿インナー」シリーズ。3段階の素材バリエーションがあり、あらゆる寒さに対応できる万能インナーとして重宝しそう。
〈無印良品〉の再生ナイロンの現場から
シンプルで使い勝手がよく、値頃感がある。〈無印良品〉の商品を表する言葉はさまざまあるが、令和の今はサステイナビリティを忘れてはならない。
1980年のブランド誕生以来、常に環境に配慮したもの作りを指針としてきた〈無印良品〉。近頃では、不要になった〈無印良品〉の繊維製品を回収&アップサイクルして衣料品として再生させる「リユース」や、回収した衣料や製造工程で出た端材を原料にして再び糸や生地を作り出す「リサイクル」に積極的に取り組んでいる。
中でも、今シーズン着目したいのが再生ナイロン。石油を原料とするバージンナイロンに比べて、製造工程における二酸化炭素の排出量が少ない優れ物だ。〈無印良品〉で使用しているのは、中国の原糸工場で再生された「プレコンシューマ材料」。コンシューマ(消費者)の手元に渡る前の、ナイロン糸の製造中に工場で出た糸くずを原料にしてリサイクルされている。
もともと昨シーズンまでは、通常のナイロンが使われていた「軽量ダウン」。敢えて再生ナイロン100%に変更した背景には、限りある資源を無駄にせず、環境負荷を減らそうという〈無印良品〉の取り組みがある。秋冬のアウターの主力商品である「軽量ダウン」の表地と裏地に採用していることでも、その思いの強さがわかるだろう。
再生素材といっても、クオリティは昨シーズンとまったく変わらない。合成繊維にありがちな、シャカシャカ感や光沢はゼロ。天然素材を思わせる、マットでシルキーな風合いと、絶妙な階調の色味を実現している。使う人の日常にも寄り添う、ナチュラルな存在感が魅力だ。
「軽量ダウン」は、メンズで4型、レディースで3型を展開。それぞれ4〜5色が揃う。驚くのは、その軽さ。多くの場合、ダウンが偏ったり、羽根が抜けたりするのを防ぐため、ダウンパックという不織布でできた袋に羽毛を詰めて生地の間に入れ込むのだが、「軽量ダウン」は、高密度のナイロン生地を使用することで、羽毛を表地と裏地の間に直接充填している。
使われているのは、750フィルパワーのダウン。フィルパワーとは羽毛のかさ高(膨らみ具合)を数値化したもので、700以上が高品質とされており、少量でしっかり膨らみ暖かさを保つ。本体の内ポケットに収納できるポケッタブル仕様なので、持ち運ぶ際にはコンパクトに、着る時は元のボリューム感がよみがえるのも特徴。飼育環境や採取方法を保証する国際認証基準、RDSに認証された羽毛であることも安心だ。
デザイン性に関しては、キルティング一段ごとに羽毛の量を調整。昨シーズンの分量を改めて見直し、ダウンにありがちな着ぶくれ感を抑えた。軽さや心地よい生地感、重ね着のしやすさから、インナーとしても活躍。黒やネイビーといった定番に加えて、ブラウンやベージュなどニュアンスカラーも揃うので、シーンに合わせて使い分けられるのも嬉しい。
環境に優しく、着心地もよい「軽量ダウン」。その魅力は触れてみなければわからない。
再生ナイロンの
プレコンシューマリサイクル
原糸工場から出るナイロンの糸くずを回収し、分別・溶融などの工程を経てリサイクルする。
A:糸くずを回収・分別
ノズルが詰まったり、品番を替える際に出てしまうロス分を回収し、手作業で分別する。
B:洗浄・乾燥・粉砕
製造ロットや種類別に分けたナイロンを洗浄した後、乾燥させ、細かく粉砕していく。
C:加熱・溶解
加熱して溶かすことで、ナイロンを原料に戻し、余分な不純物を取り除く。
D:冷却・チップ化
不純物を取り除いたナイロンを冷やし、原料となるペレット(粒状の合成樹脂)を作る。
E:紡糸・織り
ペレットを溶かし、細かい孔の開いたノズルから押し出して紡糸。糸を織って生地を作る。
そして「再生ナイロン軽量アウター」ができる
ダウンの量を調整するなど、試行錯誤の末、デザインが決まったアイテムは、工場で商品化。厳しい品質管理の下、製造される。より多くの人に着てもらえるよう、2022年秋冬シーズンから、サイズやフィット感を見直したという。
無印良品 銀座
TEL:03-3538-1311
公式HP:www.muji.net