ここ数年、スペシャルティコーヒー店でよく目にするようになったボトルドコーヒー。ミルクで割ってカフェオレを作る「オレベース」とともに、お中元ギフトとしても重宝され、夏シーズンのアイテムとしてすっかり浸透している。
人気の理由は、スペシャルティコーヒーの上質な豆を使ったコールドブリュー、つまりアイスコーヒーやアイスオレが店と変わらぬクオリティで飲めてしまう点。だがこちら、抽出したコーヒー液を各店舗でボトリングしている訳では当然ない。抽出から瓶詰めの工程を一手に担い、おいしさを支える影の立役者がいるのだ。
それが大阪の小さな焙煎製造メーカー〈WAKO COFFEE〉。本来、瓶商品は清涼飲料水製造業の免許が必要なため、大手メーカーに限られていたのだが、3代目代表・乾雅夫さんが長く焙煎の卸し業に携わってきたノウハウを活かし、2017年にスペシャルティコーヒーの豆でボトルドコーヒーを製作。そのクオリティの高さを知った人気店や焙煎士から注文が舞い込むようになったという。
まずは、その〈WAKO COFFEE〉が手がけたアイテムの中で、今夏おすすめのボトルドコーヒー&オレベースをご紹介。どれも豆と焙煎の個性が楽しめる力作ばかりだ。
“店の味”を忠実に再現した、ボトルドコーヒー
自宅でプロのカフェオレが味わえる究極のラテベース
各店の個性を再現する、〈WAKO COFFEE〉ならではの技術
これらのボトルドコーヒー&ラテベース全てに共通するのが、“その店らしさ”が感じられるという点。では、なぜ〈WAKO COFFEE〉が手がける商品はそれが可能なのか?
〈WAKO COFFEE〉の強みは、豆の挽き具合から湯温、蒸らし時間など先方の細かな要求にも忠実に応えられること。だから味にも“その店らしさ”が出せるし、最高級の豆や希少な豆を使うといった冒険もできる。ボトリングの製造免許を持つ工場のほとんどは、ジュースやシロップを主力商品とする言わば瓶詰めのプロフェッショナルだが、〈WAKO COFFEE〉はコーヒーに対する深い知識と経験から、各ロースターの味わいの要求にも応えることができるのだ。
「でも、あくまで僕らは裏方なので。単にオタクなんですよ」と笑う代表の乾雅夫氏。彼のコーヒー愛と探究心、「NO」と言わないチャレンジ精神が、日本中のマイクロロースターのヒット商品を支えている、といっても過言ではない。受注も増え続け、今やリピートの取引先だけでもかなりの数になるという。
そして現在はボトルドコーヒーだけでなく、抽出の技術を活かしてクラフトコーラのシロップなども製造。今後は開封後もより長く楽しめるよう、個包装のリキッドコーヒーや、「抽出真空凍結乾燥」によるフリーズドライにも着手する模様。コーヒー職人の技術とチャレンジ精神が、今後、日本のコーヒーシーンをどうおいしく進化させていくのか、楽しみだ。