プロダクトになる過程と未来、それぞれの時の経過を想像するとより愛着が湧いてくる
イタリアを拠点に、高品質なレザーアイテムを提案する〈ボナベンチュラ〉。今回は、フローリストとして活躍する越智康貴さんが、ブランドを象徴する「ミア トートバッグ」に花を生けた。バッグからどのようなインスピレーションを受けたのだろうか。
「しっとりと手に吸いつくようなボッタラートレザーの質感や、繊細な発色のエトープカラーに着想を得て、アカシアやチューリップ、ラナンキュラスなど春の花を中心に組み立てました。色味は、赤みの強いボルドーなど深みのあるトーンに。逆に真っ青などコントラストをつけてもかわいいかも。これは花に限らず洋服や小物とのマッチングにも言えることなので、このバッグは幅広いスタイリングに合わせやすいところがいいなと思います」
「ミア トートバッグ」は側面を折り畳むと長方形から台形にフォルムが変わる点もデザインの特徴だ。
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「台形のシルエットにすると重心が下に行くので、それに合わせて花や草木がふわっと広がるようなバランスに。雑然としている中に美的な視点を盛り込むように意識しました。綺麗に作り込みすぎるよりも、どこか一部分を崩した方が、自分らしさが表現できる気がして好きですね」
服飾の専門学校を卒業しファッションにも精通する越智さんは、普段からレザーグッズを愛用しているという。「手入れをしたりお直しをしたりすることで長く楽しめ、自分らしいアイテムになっていくのが革製品のいいところだと思うので、大切に使うようにしています。
よく身に着けているのは大きなトートバッグ。仕事で使うPCや読みかけの文庫本など僕は荷物が多いので、それに耐えられる容量であることとショルダーストラップが付いていることが絶対条件です。その点、『ミア トートバッグ』はショルダーストラップが着脱可能なのが嬉しい。それから、コーディネートを引き締めたい時や品を出したい時には革靴を履きますね」
〈ボナベンチュラ〉のアイテムはバッグから小物まで、革本来の表情を生かしたアイテムが展開されている。

「どのアイテムも共通しているのが、使う人のために考えられて丁寧に作られているということ。例えばどんなコーディネートにも似合うようにロゴの刻印が控えめに入っていたり、iPhoneケースで言えば、レザーの色や仕様がカスタマイズできるようになっていたり。長く大切に愛してほしいという気持ちが伝わってきました。小物のバリエーションが幅広いのもいいですよね。靴ベラやiPhoneケース、ペンケースなど、あると嬉しいものがたくさん。
家具のように自分の生活に寄り添ってくれる、普遍的な魅力がありますね。特にブックカバーは、普段自分がよく読書をするということもあって心惹かれました。親しい友人にプレゼントしてもいいかも。普段本を読まない人もブックカバーがあれば何か気になる一冊を買ってみようかなという気持ちになるじゃないですか。花器もそうですが、新しい習慣や好みを提案する楽しみがあるものを贈るって個人的にいいなって思います」
使い続けることで生じる経年変化によって魅力が増すのはレザーアイテムならではの特徴。時間を経て自分だけのものになる感覚について、越智さんはどのように考えるのか?
「僕は、あらゆる“モノ”の時間の経過や概念を空想することが好きなんです。例えば花は、種から花が咲き、市場に出て、それが卸されて花屋に並ぶ。誰かの手に渡ってからの未来はもちろんですが、そこに至るまでにどんな順序を歩んできたのかと考えることが、とても楽しいんです。
レザーも同じだと思っていて、プロダクトになるまでに歩んだ過程から、経年変化によって自分だけの大切な存在になっていく未来まで、それを想像すると、もっと愛着が湧いて好きになれる気がします」

BONAVENTURA 銀座店
住所:東京都中央区銀座5-6-2|地図
TEL:03-6280-6673
営:11:00~20:00