京都から地下鉄で3つ目。最近オープンした〈エースホテル京都〉が近い烏丸御池駅の路上に出ると、幹線道路の歩道側の自転車専用レーンや、細い道における自転車が走る場所を示すれんが色の塗装など、市の自転車政策の証しがすぐ目に入った。
「市内の生活道路や準幹線道路には矢羽根が描かれ、烏丸通の御池通から丸太町通の間など専用レーンが設けられた場所もあります。駐輪場は随所に。¥200の“京都よくばり自転車観光1日駐輪券”は便利で旅行者に人気です」
教えてくれたのは、レンタサイクルカフェ〈ザ・グッデイベロ〉の石原直樹さん。独立前は自転車観光を推進する会社に勤め、長く京都の自転車事情を見つめてきた。
「インバウンド需要をきっかけに、京都の自転車事情は変わりました。駐輪場の整備や自転車保険加入の義務付けなどの政策を積極的に進め、成果を上げています。“自転車では来んといて”というスタンスだったところもある神社仏閣も、今ではほぼすべてで駐輪できます」
京都御苑内も自転車が走行可能で、目の前をチャイルドシートに子供を乗せた女性が走っていった。東山丸太町交差点には自転車の二段階右折用の表示があり、そこの撮影中には放置自転車撤去作業車が何度か通り過ぎた。ルールとマナーの啓蒙にも力を入れ、京都はいっそう人・車・自転車が共存する街となるだろう。