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アウトドアクリエイター・YURIEが作る、国立公園のあしたを守るクッション

BRUTUS1000号の記念企画「あしたのベストバイマーケット」に参加しているアウトドアクリエイターのYURIEさんは、国立公園オフィシャルパートナー〈PARKS PROJECT〉とコラボレーションして、日本のシンボルかつ国立公園でもある富士山をテーマにしたクッションを販売中。〈PARKS PROJECT〉を運営する引地央行さんと、国立公園への思いや商品ができるまでを振り返りました。

photo & text: Ai Tsushima

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アメリカ発、国⽴公園を次の世代へ残すためのプロジェクト

アウトドアクリエイター・YURIE
「昔、アメリカやカナダの国立公園をキャンピングカーで巡ったことがある」と話すYURIEさん。

YURIE

私は趣味のアウトドアやキャンプをSNSで発信したことがきっかけで、今はアウトドアクリエイターとして活動しています。お仕事やプライベートでも国内外問わず旅をしていましたが、コロナ禍になって、海外旅行にも行きにくくなってしまい。それからは国内旅行に行く機会が増えました。

愛車のバン「サンシー号」で北海道から鹿児島まで旅をする中で、国立公園の素晴らしさを実感して、いつしか国立公園を目的に旅するようになりました。ちょうどそのタイミングで、〈PARKS PROJECT〉が日本にもできたことを知ったんです。

引地央行

僕らが運営する〈PARKS PROJECT〉は元々アメリカから始まったブランドで、2020年に日本でも立ち上げることになりました。主に、国立公園をコンセプトにかっこよくて魅力的な商品を作り、その売り上げを国立公園へ寄付する活動や、ボランティアイベントを主催しています。

YURIE

私は元々、海外の〈PARKS PROJECT〉を知っていて、コンセプトもデザインも好きだったので日本にもできたのはとても嬉しいです!海外だと〈PARKS PROJECT〉のアパレルを着ている人をよく見かけるんですけど、それを着ていることで環境保護に参加しているというステータスを感じます。

〈National Park Solutions〉取締役CMOの引地さん
〈PARKS PROJECT JAPAN〉を運営する〈National Park Solutions〉取締役CMOの引地さん。

引地

たしかに、ただのアパレルというよりはコミュニティウェアの位置付けです。好きな球団のユニフォームを着て応援するように、地元やよく行く国立公園のロゴが入ったパーカーを着て意思表明をしているような。とくにアメリカはカルチャーとして根付いていて、売り上げからの寄付額が4億円近くになります。

YURIE

本当に影響力のあるブランドだと思います。今回、「あしたのベストバイマーケット」出店のお話をいただいて、何がいいか考えていて。〈PARKS PROJECT〉のように国立公園や自然を守る取り組みに自分も参加してみたいと思って、引地さんに相談しました。

絵本「山に木を植えました」
最近YURIEさんがお気に入りの山の生態系について学べる絵本。

引地

その電話をもらったときはうれしくて、二つ返事をした記憶があります(笑)。

YURIE

以前、一緒に環境省主催のイベントに登壇したことがありましたよね。私自身は自然のためになる活動ができていなくて、どちらかというと遊ばせてもらっている身。ただ、0から新しいことを立ち上げるとなると、何から始めたらいいか迷ってしまう。だから、すでに活動をしていてものづくりもできる〈PARKS PROJECT〉とのコラボがぴったりだなと!

引地

ありがとうございます。僕らもまずはきっかけを作ることが大切で、コミュニケーションを積み重ねなければ、根本的な課題解決には繋がらないと考えています。だから、商品を販売して国立公園に寄付しながら、実際に体験に行けるボランティアイベントも開催している。若年層にも興味をもってもらえるブランディングが重要だと思っています。

世界遺産の国立公園「富士山」がテーマのクッションが完成!

YURIEさんがクッションのデザインのために掘った版画スタイルのスタンプ
YURIEさんがクッションのデザインのために彫った版画スタイルのスタンプ。

YURIE

今回作れるものの選択肢がいくつかあった中で、“大版カットのクッション”って聞いたときにビビッときました。そもそも私はクッションが好きだし、暮らしの中でもアウトドアでも使えるのですごくいいアイテムだなと思って。

そこから、どんなデザインにしようか相談して、日本のシンボルかつ国立公園でもある富士山と、その麓に生息していて絶滅危惧種に認定されているニホンツキノワグマをモチーフにすることに決まりましたね。

引地

富士山は日本ですら国立公園であるという認知度がまだまだ低い。どちらかというと観光地というイメージが強いですよね。さらに、富士山はオーバーツーリズムやゴミ問題など様々な課題を抱えています。

みんなでしっかり保護して、後世に残していきたいという思いを込めて“Leave It Better Than=来たときよりもより良い状態にしていこう”というメッセージを入れました。デザインは全てYURIEさんが考えてくれて。

YURIE

元々趣味で版画スタンプを作っていたので、自分でデザインできるかもしれないと思って、撮影した写真を見ながら彫って作りました。それを刷って、データ化して……クマの毛並みとか、かなり悩みましたよ。リアルすぎても怖いし(笑)。

富士山とニホンツキノワグマのクッション
販売中の(左)富士山、(右)ニホンツキノワグマ 各4,950円

引地

おかげでかわいいものができました!インテリアとしてはもちろん、車に載せて旅先に一緒に連れていくのもいい。僕らは身につけたり、普段の生活の中に取り入れることでナショナルパークや自然というものを感じたり、意識的に大事にしたいと思うものづくりが前提なので。これを見るたびに、国立公園や自然を思って、繋がっていけたらいいなって思います。

アウトドアクリエイター・YURIE
YURIEさんがDIYした愛車「サンシー号」にクッションをスタイリング。

YURIE

そうですよね。あとは、たくさん自慢してほしい!(笑)。こんな商品買ったよとか、友達や周りの人に発信していただいて、〈PARKS PROJECT〉のプロジェクトをもっと世の中に広めてほしいです。

引地

どんどんお願いします(笑)。アートやカルチャー、ファッションって本来難しいことのように思えるけど、みんなが夢中になれるのは好きで、楽しいことだからだと思っていて。僕らも〈PARKS PROJECT〉を通して、国立公園や保護活動を同じくらいかっこよくて楽しいことにしたいと思っています。

アウトドアクリエイター・YURIE
「一緒にくつろいで、癒やされる存在になれたら」と話すYURIEさん

YURIE

たしかに、そういう知識がある方が人としての深みを増すと思います。それでいて自然を楽しんでいるってとてもクールだと思うし、私もそんな人になりたいです。

YURIEさんと引地さん

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