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〈マームとジプシー〉藤田貴大の人生最高のお買いもの「イタリアの蚤の市で買った照明器具」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。演劇作家・藤田貴大さんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Satoshi Nagare / text: Akiko Yoshikawa

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演劇作家として照明にはこだわりたい

一般的に舞台美術は公演に合わせて借りるか、そのためだけに作って廃棄しますが、僕は自分が買ったものしか舞台に配置したくないし、舞台にどんな役者が立つかと同じくらいこだわりたい。

何より照明器具を買うと気持ちがぶち上がるんです。これはフィレンツェの蚤の市で見つけたもの。大きくて重いのでスタッフには嫌がられましたが、どうしても欲しくて買いました。倉庫には買い集めた照明や椅子などがたくさんあり、まだ出番のないものもあります。

逆に家にはこだわりがなく、家用のいいソファより、舞台用のいいものを買いたいという欲求の方が強いですね。それに、いいものが手に入ったらそこで達成ではなく、また欲しくなる。人間って怖い。

イタリア海軍のものと思われる照明で、スタッフと手分けして手荷物として持ち帰った。舞台でも使える、大光量の照明に惹かれる。日本円で約60,000円。
イタリア海軍のものと思われる照明で、スタッフと手分けして手荷物として持ち帰った。舞台でも使える、大光量の照明に惹かれる。日本円で約60,000円。

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