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100人が選ぶ、2023年最高のお買いもの。Vol.2 穂村弘、セントチヒロ・チッチetc.

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるもの。ブルータスゆかりの100人に、2023年のベストバイを尋ねました。各界の目利きたちが選ぶ、昨年本当に満足したお買い物リスト。現在も買えるものが中心だ。急いで買うべし!

photo: Yoichi Nagano, Koh Akazawa, Satoshi Nagare / text: Masae Wako, Junya Hirokawa, Ai Sakamoto, Shiho Nakamura

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ひとり問屋・日野明子

坂根雄心の笠椀

「赤朽葉と名づけられた深い赤に惹かれました」。生活道具や器のいい作り手を見つけることを人生のミッションとする日野さんが「出会った瞬間に衝撃を受けた」のが、会津の塗師(ぬし)、坂根雄心による美しい漆椀。「岩手県の〈安代漆工技術研究センター〉で修業を積んだ作家だけあって、使うとなおさらいい。滑らかなフォルムの隅々にまで、洗いやすさや持ちやすさなど、日常の器としての配慮が行き届いていることを感じます」。


坂根雄心の笠椀

会津屋 TEL:03-3816-1222 14,300円

精神科医・春日武彦

『悪い子バビー』のTシャツ

「俺が撮りたかった!」と思わせられた『悪い子バビー』。「35年間母親に監禁されていた男が未知なる世界へ飛び出していくオーストラリア=イタリア合作映画です。オンライン試写で観賞後、新宿武蔵野館に観に行き、パンフレットへの寄稿、トークイベントにも登壇するほど気に入った2023年ベストの一本。観賞後の興奮に包まれて衝動買いしたという、稀有な体験まで含めてのベストバイです」。

『悪い子バビー』のTシャツ
コピアポア・フィルム MAIL:info@copiapoafilm.com 3,500円

歌人・穂村 弘

バイトアウェイ

虫刺されのかゆみを熱で緩和させる道具。「お医者さんに運動しなさいと言われたんです。おすすめは本気のラジオ体操を1日4セットだったのですが、大変そうだと思ってなわとびを始めました。そこで公園に行く時のお供がこれ。フォルムが蚊っぽくて面白いなと思っていたくらいだったのですが、効き目は抜群。かゆみがなくなるから搔くこともないし痕跡も残りにくい。はじめはびっくりするくらい熱を感じるけどすぐに慣れますよ」。

バイトアウェイ
Amazonなどで販売。7,573円 *編集部調べ

〈BEARD〉店主・原川慎一郎

ジュジュ野菜調理器 蜂の巣

ニンジンしりしりなどで、野菜を細長く切るための調理器具。「これを探してたんです。ポイントは2つ。まずはボディが木であること。プラスチックは壊れやすいんです。そしてリーズナブルなこと。高価なものは切れ味も抜群ですが、僕は粗削りにできる方が好きで。素材に味が染みておいしくなる。実際、木だから安定感があって使いやすいし、切れ味も僕好みでちょうどいい。かなりコスパのいい買い物ができました」。

ジュジュ野菜調理器 蜂の巣
小柳産業 TEL:0256-32-1574 1,320円

アーティスト・セントチヒロ・チッチ

〈STUDIO THE BLUE BOY〉のChemigrams Rug #01

アートディレクター正田啓介のデザインスタジオによるオリジナルラグ。「ソロアルバムのジャケットにも写っている、大好きなブランドの一つ。これはポップアップで見て一目惚れしたんです。大きな買い物ですが、ラグは一生モノ、と思い切って買いました。リビングに敷いています。カラフルで部屋に彩りをくれるし、家に帰るのが一層楽しみになりましたね」。


〈STUDIO THE BLUE BOY〉のChemigrams Rug #01
THE BLUE BOY TEL:03-6721-0566 426,700円

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