松竹と〈BEAMS JAPAN〉といえば、大好評だった映画『男はつらいよ』でのコラボが記憶に新しい。そして今年、小津安二郎生誕120年を迎え、再び記念すべき節目を盛り上げることに。
雑誌『BRUTUS』が特集「小津の入り口。」を出したのが10年前。映画監督・小津安二郎という人が、どれだけこだわりの人だったか、詳細にわたって特集したことを覚えているだろうか。本人もたいそうオシャレな趣味人だったが、映画は衣装や小道具、消え物(食べ物)に至るまで、“小津好み”と呼ばれるこだわりに溢れていた。
〈BEAMS JAPAN〉でなければ成し得なかったコラボレーションは数多い。全国各地に張り巡らされたアンテナが具体的なアイデアとなり、そのものズバリではなく、“小津好み”の世界観を見事に凝縮した、ファンに愛されるプロダクトとなって結実した。
小津監督が青年時代を過ごした三重県。松阪の名産「松阪もめん」や、「脚本作りに欠かせない」と語っていた長野県・茅野の清酒「ダイヤ菊」(戸田酒造)などはその一部だが、ほぼすべてのアイテムに長場雄さんが描いたアートワークが配された。長年のファンはもちろんのこと、このコラボレーションをキッカケに、新しい小津ファンも生まれそうで、周年が大いに盛り上がりそうだ。早速、チェックしてみよう。
【小津安二郎のアイコン】ピケ帽

【小津の赤】月兎印スリムポット

座卓の下に赤いやかんが見える。ところどころに赤を配置し、効果的に見せている。
【ローアングルに欠かせないもの】座卓(天童木工)

座卓は小津映画に欠かせない小道具。ローアングルも、少しだけ天板が見える高さに設定された。
【手書きのタイトル】お盆(鎌倉彫)

映画のタイトルも当時は手書き。作品によってバックグラウンドと字体が違い、味わい深い。
【記憶に残るシーンには食べ物があった】食品サンプル(さんぷる工房)

ガキ大将の亀吉が、その強さの源としてすずめの卵を飲み干す。当時の子供社会を描く象徴的なシーン。
【小津監督が青年時代を過ごした三重・松阪】バッグ(松阪もめん)
【呑んで脚本を書いた蓼科】ダイヤ菊(戸田酒造)

【定宿にしていた茅ヶ崎の宿】湘南ビール(熊澤酒造)

【長場雄の描く小津の世界】
