設定、脚本、演者。コントの心技体を整え、笑いをさらう
「(脚本を)書く作業って、一度休んでしまうと腕が鈍るような気がして。だからアマチュアとして活動していた大学時代から、毎日何かしらネタを書くようにしています。それとよく、コントに役立つことを探しに散歩にも出かけますね。時にはふらっとファミレスに入って、隣の席から聞こえてくる会話に耳を傾けたり。そうやって、日常で気になったことを絶えず、ノートやスマホに書き留めています」
ネタ帳は、ごくシンプルなA5サイズのノート。ペラペラとめくり、たまたま手が止まったページには、「えーと、この日は、“ご近所さんとのバーベキューは貧富の差が出るからやらない方がいい”とメモっていますね。もう自分でも嫌なヤツって思うくらい、こんなことばっかり書き留めてあります」。
ネタにする事柄は、決して“愉快な出来事”だけではないそう。
「コントの種になるのは、人の感情の振れ幅が大きいと感じた出来事です。例えば、泣いている人とか、怒っている人とか。そういった感情の時って、人のエネルギーが爆発するじゃないですか。そのエネルギーをどう笑いに変換して、観客を良い意味で裏切る設定やシナリオにするか。これがウケるセオリーで、コントを整えるうえで欠かせないことなんです。ただ、笑いの真逆の“怒り”や“泣く”という感情は、割とコントの題材にしやすくて既視感があるので、最近は“寂しい”や“しんどい”といった気持ちを笑いに変えるアプローチのネタを増やしています」
8人の迫力を生かすため、舞台セットはシンプルに
「いくら秀逸な脚本が書けても、演じ方一つでウケは変わってきます。メンバー個々のカラダの動きや顔つき、セリフや観客の笑い待ちの間など、コントもスポーツのように心技体が揃って初めて大笑いをさらえるものなんです。こればかりはいくら稽古を積んでも客前に出てみないと正解はわからないですよね」
コントの出来を確かめる場の一つが単独ライブだが、直近の『20000』の出来はどうだったのか。
「演劇の聖地、〈スズナリ〉での公演だったので、1本目は会話劇から始めようと決めていました。いざ客前でやってみたら結構ハマっていたと思います。初日から、ウケないところは切って、ウケるところは伸ばすという微調整を千秋楽まで繰り返し、よりコントを整え、ブラッシュアップしていきます」
単独公演では、発表するコントの合間にもこだわりの演出がある。
「演者以外の人の気配が客席に伝わると、舞台の内容がブレる気がして、椅子や机といったセットチェンジは自分たちで行うようにしています。暗転しても人の動きはうっすらと見えるので、無駄がないようにセットを出し入れする動きにも演出をつける。これもコント作りの一環と捉えています。コントの集合体である“ライブ”というパッケージを整えるうえでも必須なんです」
あえて味気ない舞台セットは、客席の視線を引きつけるための逆演出になっているという。
「セットは机や椅子だけなど、少なめにしています。メンバーが8人いるので、舞台上がごちゃごちゃすると観客の意識が散ってしまうんです」
ただ、蓮見さんがいつかやりたいという究極のコントがある。
「回転寿司やマクドナルドみたいな実店舗を会場に、お客さんを入れたライブをやってみたい。その場所ならではの、みんなの思い出が乗っかるから、劇場とはまた違って、笑いを爆発させやすいと思うんです。それを実現するために、まずは売れたい。売れることが目的ではなくて、それによって挑戦できるステージが変わっていくと信じています」
MY STYLE 噛んで集中力を高めるグミが、脚本を整えるお供
その日、ネタ帳にメモしたことを帰宅してから見返し、改めて面白いと思ったメモだけを別のノートに清書する。これが蓮見さんの日々のルーティンになっている。
「ネタ帳に書いたメモから設定を考えて脚本を書く作業って、体力の消耗以上に、頭がドッと疲れます」。
そこで、糖分補給と集中力アップを兼ねて、噛み応えのある超ハードグミを常備しているそう。以前は深夜作業が恒例だったが、それを日中に変えた結果、頭が冴えて、作業効率もグッとアップしたという。
WHAT’S AUGER?→〈オーガー〉のアイブローシェイピングレザー
「身なりに気を使いすぎると恥ずかしいという気持ちは、大人になるにつれて薄れてきました」という蓮見さんには、肌の曲面にぴたっとフィットする形状設計のマユ用カミソリをおすすめしたい。刃先のクシ目状の細かいガードが肌への負担を和らげ、敏感肌にもやさしい仕様。