実は自然の力を用いて描かれている絵画
髙畠依子の《LINE(N)》
これまで髙畠依子というアーティストは、風や水、火や磁力といった自然の力を用いて、油絵具を様々に変容させ、まるで科学者が実験をするように、絵画における独自の方法論を展開してきました。そして、今回の新たなシリーズ《LINE(N)》で彼女が注目したのは「力学」です。
本シリーズは、糸をよったり、巻き取ったりする際に生じる回転や重力の原理を用いてたった1本の線で生み出されています。この作品のほかにも、例えばキャンバスを巻きつけた円柱を天井から紐で吊し、円運動させることで描かれた作品も披露されます。
(ShugoArts/佐谷周吾)

2024年/油絵具、顔料、色土、パネル/60×60cm
Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts, Photo by Shigeo Muto