撮りためたスナップ写真が、絵画になるまで
城田圭介の《Seascape(jetty, sunset)》
城田圭介の作品は、普遍的なモチーフが与える安心感や静寂も魅力なのですが、ディテールにいつもハッとさせられます。彼は普段からスナップ写真を撮りため、のちに再構築するようにイメージをつなぎ合わせていきます。この作品では一枚の絵の中に海を写した数枚のスナップが。
自身の心象を織り交ぜながら、写真には写っていない風景と記憶の中の風景を拡張するように、画面の残りを油彩で描いています。また、写真がズレたようなわずかな余白が、絵画としてより強度を持たせていることも注目。その描写力をぜひ実物で見てほしいです!(Maki Fine Arts/牧高啓)