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時代のミューズ・ano(あの)に直撃!「不可能が面白い。いつもその先を探してるんです」

“あのちゃん”をご存じだろうか。ミュージシャンから芸人まで、エッジーなクリエイターの想像力を刺激する時代のミューズである。

Photo: Ittetsu Matsuoka / Text: Izumi Karashima

大人って何ですか?という問いに彼女はこう答えた。

何かをあきらめて進むのが大人っていうけれど、
それは弱いからだと思う。
ぼくはそうはなりたくないし、なれない。
自分を守る術さえもわからないから。

BRUTUS

10代の頃からアイドルグループ〈ゆるめるモ!〉に参加して、その後はソロになって、モデルや女優活動、最近はバンド活動も始めました。根底にはやはり音楽がある?

あの

お父さんがハードロック好きなんですよ。ギターが何本もあって、四六時中音楽が流れているうちで。ただ、ぼくにはお兄ちゃんがいて、お兄ちゃんは音楽も勉強も優秀で、それに対してコンプレックスがずっとあって。

音楽なんて一切やんない!と思ってたけど、苦手意識を覆したいとあるとき思って。それがいまにつながってるかな、とは思います。

BRUTUS

覆したいと思ったのはいつ頃でしたか?

あの

ぼく、不登校でずっと引きこもっていて。すると、やることがないからネットを見るじゃないですか。すると音楽が流れてくるから、ずっと避けてたものが身近になったんです。音楽だけが寄り添ってくれたというか。

BRUTUS

あのさんはデジタルネイティブ世代の象徴であり同世代や同性ファンも多い存在です。ご自身にとって「いま」ってどんな時代?

あの

個人の力がないと難しい時代だなって。誰でも簡単に自分を表現し発表できる世の中になったというけれど、ぼくにとって、それは当たり前。世の中がやっと追いついてきたんです。

でも、そうすると面白くなくなる。不可能が面白いんです。だから、もっと面白いことを。いつもその先を探してるんです。

アーティスト「ano」