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サンシャイン水族館職員に聞いた、愛の映画。「愛って、海にも、魚にも」

水にすむ生き物たちの魅力的な姿が見られる〈サンシャイン水族館〉。ここで働く職員たちが水生生物への愛を感じる映画とは?彼らへの思いと合わせて語ってもらった。

photo: Shu Yamamoto / text: Ryota Mukai

愛の映画世論調査〜魚と向き合う水族館職員〜

date:2023年10月6日(金)AM8:00
place:池袋・サンシャイン水族館

愛って、海にも、魚にも

今井俊宏さん、渡邉果南さん、島森翔大郎さん
左から、水族館の設備全般を担当する島森翔大郎さん、ペンギンをメインに海獣を担当する渡邉果南さん、魚類・特別展企画を担当する今井俊宏さん。朝礼前に映画談議。場所は館内で最も大きい水槽「サンシャインラグーン」の真上にあるバックヤード。ここからエサをやったり、掃除をするために水槽に入ったりする。

渡邉果南

水族館で働く大抵の人は『ファインディング・ニモ』や『ファインディング・ドリー』は観ているんじゃないでしょうか?

今井俊宏

どちらも家族愛や友情が感じられる作品ですよね。でもニモは親子の設定が気になってしまって……。カクレクマノミって一緒に暮らす個体のサイズによって雌雄が決まるんですよね。大きい順に、母、父で、残りは雌雄が決まっていない。ニモは劇中で2個体だけだから、2匹は母と父のはずなんですよ。

島森翔大郎

おっしゃる通り(笑)。確かに生き物を飼育する視点から観ちゃうことはあります。

渡邉

実際の魚同士の関係に、私たちの愛のような概念は見出しにくいけど……。でも、それくらい引き込まれますよね。私は動物が出てくる感動系のフィクションは、泣きすぎて恥ずかしいから映画館では絶対観られない。仕事に関わるものなら、資料的に観ることも。

『にんげんドキュメント ヒレをもらったイルカ』は、フジというイルカのノンフィクション。病気で失った尾びれを人工的に復活させる、人間でいう義足を作る話です。これが基になった映画『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ』も感動的。

島森

ドキュメンタリーなら感情移入せず、貴重な映像として観られますよね。『アース』や『ディープ・ブルー』も淡々としていながら見応え十分。

今井

自分は『ベーリング海の一攫千金』を何シーズンも追ってます。漁師の仕事を追った作品です。思えば、僕が魚を好きになったきっかけの一つも釣りでした。

島森

僕もです。魚も海も好きなので、海が出てくる映画は好きなものが多いですね。『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』は死ぬ前に海を見に行く2人のロードムービーで友情に満ちた愛の映画。同じく友情を描いた『ショーシャンクの空に』が好きなのも、ラストシーンが海だからかも(笑)。

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