Wear

Wear

着る

富山〈コータ・コート〉コンセプチュアルな空間に、商店街的あたたかな接客

地方のセレクトショップがますます面白い。ブルータスが主観で絞り込んだ、とっておきのお店をご紹介します!

Photo: Daisaku Ito / Text: Chisa Nishinoiri

連載一覧へ

コンセプチュアルな空間に、
商店街的あたたかな接客。

富山市中心部、総曲輪通り商店街のアーケードの中でひときわ異彩を放つ真っ白なファサード。
店内には、アーケードを支える骨組みと呼応するように天井からステンレス製のV字形ハンガーがぶら下がり「パンチの効いた、噛み応え十分」の洋服が整然と並ぶ。

富山〈コータ・コート〉店内
真っ白な漆喰壁に囲まれた空間設計は建築家・二俣公一が主宰の〈CASE−REAL〉による。

店の母体は市内に7店舗のセレクトショップを展開する〈MAKES〉。
ここ〈côte à côte〉は「若い子たちがのびのびできる店」を思い描き、20代のスタッフたちが店作りの一翼を担う。

店長の田中竜治さんは学生時代から客として通い詰め、アルバイトを経て国立大学を卒業後に就職した生粋の洋服ヲタク。常連時代にレインメーカーの洋服の虜となり、受注会でデザイナーと直接会話を交わし大いに感動。
その原体験に突き動かされるように「デザイナーが洋服に込めた思いをより多くの人に届けたい」という熱い思いで、洋服そしてお客さんと向き合い続けている。

田中さんが敬愛するレインメーカーを中心に、サルバム、キディルといったデザイナーの個性が色濃くもリアルクローズとしてのバランスを意識したセレクト。

「展示会でパンチの効いた洋服に出会うと、○○さん好きそうだな、とお客さんの顔が思い浮かぶんです」と、たとえ一着からでも買い付ける。「素敵なブランドが揃っているのは大前提。お客さんと一緒に〈côte à côte〉という空間を楽しみながら作っていきたいですね」

富山〈コータ・コート〉4人のスタッフ
それぞれの推しブランドでキメたスタッフの面々。左から嶋田翔弥さん、店長の田中さん、久世祐希さん、亀谷伊久磨さん。

連載一覧へ