コンセプチュアルな空間に、
商店街的あたたかな接客。
富山市中心部、総曲輪通り商店街のアーケードの中でひときわ異彩を放つ真っ白なファサード。
店内には、アーケードを支える骨組みと呼応するように天井からステンレス製のV字形ハンガーがぶら下がり「パンチの効いた、噛み応え十分」の洋服が整然と並ぶ。
店の母体は市内に7店舗のセレクトショップを展開する〈MAKES〉。
ここ〈côte à côte〉は「若い子たちがのびのびできる店」を思い描き、20代のスタッフたちが店作りの一翼を担う。
店長の田中竜治さんは学生時代から客として通い詰め、アルバイトを経て国立大学を卒業後に就職した生粋の洋服ヲタク。常連時代にレインメーカーの洋服の虜となり、受注会でデザイナーと直接会話を交わし大いに感動。
その原体験に突き動かされるように「デザイナーが洋服に込めた思いをより多くの人に届けたい」という熱い思いで、洋服そしてお客さんと向き合い続けている。
田中さんが敬愛するレインメーカーを中心に、サルバム、キディルといったデザイナーの個性が色濃くもリアルクローズとしてのバランスを意識したセレクト。
「展示会でパンチの効いた洋服に出会うと、○○さん好きそうだな、とお客さんの顔が思い浮かぶんです」と、たとえ一着からでも買い付ける。「素敵なブランドが揃っているのは大前提。お客さんと一緒に〈côte à côte〉という空間を楽しみながら作っていきたいですね」