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編集者・藤山和久は、どう2拠点生活をはじめた?

将来のための準備をはじめる。長期的な目線を持って何かをはじめるのも有意義なこと。世界を広げてくれる語学から、お金にまつわるあれこれ、働き方・暮らし方まで。理想の人生を送るために必要なスキルや知識を、今日から少しずつ身につけよう。

text: Ryota Mukai

教えてくれた人:藤山和久(編集者)

近所の安い賃貸アパートを借りる。

平日は都会で仕事をこなし、週末は田舎暮らしを満喫。そんな2拠点生活って楽しそうだ。でも、どこに第2の拠点を置くか?お金はどのくらいかかるのか?と考えるべきことが多すぎる。

「2拠点生活への憧れがまだ漠然としたものなら、まずは自宅のすぐ近くで安い賃貸アパートを借りるのがおすすめ。トイレは共同で風呂なし、といった物件で十分です」と藤山和久さん。

「もう一つの家がある、という状況は誰にとってもはじめは楽しいに決まっています。一方、現実には移動時間、交通費、もちろん家賃あるいは購入費用もかかりますよね。

私も以前、自宅から電車で20分ほどの場所に仕事部屋としてマンションの一室を借りたのですが、行き来が面倒になって1年で引き払いました。まずは自宅近くの賃貸で2つ目の家の気分を味わいつつ、自分の“2拠点体質”を確認してみるのがいいですよ」

月5万の賃貸物件なら年60万+αでお試しできるのだから、途端に現実味も湧いてくる。

「経費の面で考えれば、賃貸物件ではなく流通に乗らない“空き家”を探すのもいいですよ。放ったらかしにされた空き家って案外あるものなんです。探すといっても友達に聞いてみるだけ。

持ち主によっては、たまに空き家に入ってメンテナンスしてもらえるとありがたがってくれる人も少なくないはずです。もちろん、遠方でこそ実現できる2拠点のスタイルもあります。

例えば、薪ストーブがある家。煙が上がるのでいわゆる都心の住宅密集地では難しいですよね。そういった明確な目的や必要がない限り、まずは近所からはじめるのがいいでしょう」

憧れの2つ目の拠点。
さて、どう使おうか。

かつて仕事部屋を引き払った藤山さんだが、今は自宅でも仕事部屋でもない“家”が2つもあるという。「どちらも私が借りている物件ではなく、友人が所有する空き物件です。

一つは打ち合わせ部屋兼、動画制作用のスタジオのように使っていて、もう一方は今年から建築家養成学校をやろうと計画中。

そうしようと決めていたわけではありません。場所があって人が集まり、こうなったのです。大人の部室、みたいな感じですね」と聞いているだけで夢が膨らむ。

「人が集まると思いもよらぬアイデアが生まれるものです。私の場合、打ち合わせ部屋に来るのは月に1度程度。それ以外のときにはそもそもの持ち主が使うことも。そうやって使い分けができるのも、住んでいるわけではない2拠点目ならではの在り方ですね」