平面と立体を行き来する衣服
平らに折りたたまれた服の端をひょいと持ち上げると、布地が立体的に立ち上がり、シャツやパンツが現れる。その瞬間の驚きたるや。ちぢこまっていた気持ちがひらけていくようだ。
〈132 5. ISSEY MIYAKE〉は、未来を見据えた素材開発をテーマに掲げるブランド。2010年に三宅一生が、世代を超えて編成されたスタッフとチームを組んでスタートした。「平面と立体を行き来する衣服」を中心に、革新的なものづくりに挑んでおり、基本の素材は糸から開発した再生ポリエステル生地。さらに研究を重ね、現在は一部に植物由来の素材を使用したアイテムも展開している。
一枚の布から立体をつくる造形技術の研究には、コンピュータサイエンティストも関わった。“132 5.”という名前には、「一枚の布(1次元)から服という立体造形(3次元)が生まれ、折りたたむことで平面(2次元)となり、人が着ることで時間を超えた存在(5次元)になるように」という思いが込められている。
まずは、2022年春夏に展開される「OPEN FOLIO」のアイテムを駆使したムービーをどうぞ。「平面から立体に変化する服」の衝撃をご覧あれ。
「ひらく」動作から発想した大胆なデザイン
2022年S/Sのものづくりのテーマは「OPEN UP」。平面が立体へとひらいていく過程で現れる、大胆かつしなやかな造形を追求した。例えば「OPEN FOLIO」は、本をひらく時の展開から発想された両面転写のシリーズだ。
折りたたんだ状態ではほぼパープル一色だが、服をひらくと同時に鮮やかな水色が立ち現れ、そのダイナミックな配色に驚かされる。また、アートを身に着けているような楽しさに加え、機能的であることもうれしい。
幾何学デザインにポケットがさりげなく組み込まれていたり、洗濯してもほとんどシワにならなかったり。日常の服としてとても優れている。
この服が、いつものファッションを変えるきっかけになる。
なにしろ軽いから、体に負担がかからない。立体的な折り構造ゆえ、体に張りつかず着心地もいい。そしてもちろん、ラクなだけでは終わらない。ラクの一歩先にある「着て動くことの楽しさ」を感じさせてくれるのが、いちばんの魅力だろう。
着ることで気持ちまで自由になる。いつものファッションを少し変えてみたくなる。〈132 5. ISSEY MIYAKE〉の新作は、そういう前向きな気分を後押しする服なのだ。
132 5. ISSEY MIYAKE
Instagram:@1325isseimiyake_official
HP:https://www.isseymiyake.com/ja/brands/1325
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