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〈BRACKETS〉店主・飯田康貴に聞く、リネンの楽しみ方

素材の風合いと独特な肌触りが魅力の麻は、高温多湿な日本の春夏にかけて活躍する素材だ。着るごとに育ち味わいを増すリネンの楽しみ方を、〈BRACKETS〉店主・飯田康貴に聞いた。

photo: Hiromichi Uchida

作業着のように野暮ったく着る

ドイツやフランスのミリタリーアイテムによく見られるような、タフでハリ感のあるヨーロッパのリネンが好みです。リネンの服って、僕の中ではどこか“作業着”のようなイメージで。ヨーロッパに買い付けに行くと、着古したリネンのジャケットにモールスキンのパンツを合わせたクラシックなスタイルの人や、リネンのアトリエコートを着て絵を描く画家を見かけるんです。

彼らのように、道具的にリネンを着られたらかっこいいなと思いますね。アメリカのデニムのように、ヨーロッパの人にとってはタフな素材として昔から愛されていて、古いものもいまだに残っています。古着特有の経年変化で生まれたシワや洗いざらしの感じがいいんですよね。

意識しているわけではないですが、買い付けのたびにリネンのアイテムを集めているような気がします。個人的には、春の陽気を感じながら、Tシャツに一枚、リネンのジャケットを無造作に羽織るくらいラフに楽しみたいなと思います。

日本では春と夏の素材というイメージが強いですが、ヨーロッパでは一年を通して着られていたりもして、一枚持っておくと重宝する場面が多いのも嬉しい。僕は、色っぽくならない、野暮ったいリネンシャツを探しています。

〈OLD TOWN〉のリネンジャケット
イギリスのワークウェアブランド〈OLD TOWN〉のリネンジャケット。「そんなに古くはないですが、イギリスの定番のワークジャケットをリネンで仕上げていて洒落ています」。