年の差を超えた友情が沁みる
血のつながりはないのに家族のような関係を築いたり、年の差が生むプライドや反発を乗り越え、互いに認め合ったり。友情に年齢の差は関係ないが、それでもなお、この稀有なフレンドシップは心に沁みてしまう。
『小説家を見つけたら』
親子以上に年の離れた青年に老人が宣言する「友達だ」
16歳のジャマールは、偏屈老人の小説家と知り合い、衝突しながらもかけがえのない絆を育む。ある時、ジャマールの人生は窮地に陥るが、外出恐怖症の老人は助けることを拒否。しかし重たい腰を上げた老人は、親子以上に年の離れたジャマールを「友達だ」と宣言することで救うのだった。
#味わい深い
『ムーンライズ・キングダム』
大人が少年のグラスに注ぐビールの意味とは?
身寄りのない12歳のサムは恋する少女と駆け落ちする。大冒険の末、シャープ警部に保護されるが、彼は牛乳を飲んでいたサムのグラスに「飲むか?」と聞いてからビールを注ぐ。サムを子供扱いせず、対等な人間として向き合うシャープ。その瞬間、2人の間には間違いなく友情が生まれている。
#アツくなる #味わい深い
『いまを生きる』
殻を破った生徒たちから先生へ。机の上からの最大限の敬意
型破りな英語教師キーティング。彼は学校の規律に縛られた生徒たちの前で机の上に立ち、物事をさまざまな角度から眺め、自分の視点を持つことの大切さを説く。そして、ある悲劇で学園を去ることになったキーティングを生徒たちは机の上に立って見送った。彼の教えは確かに伝わっていた。
#アツくなる #考えさせられる
『グラン・トリノ』
最悪の出会いを果たした少年が、唯一心を許せる相手に
強面(こわもて)の老人コワルスキーは、少年タオと最悪の出会いを果たすが、とあるきっかけで彼の家族からホームパーティに招かれる。以来、コワルスキーの家の手伝いをすることになったタオは、妻に先立たれ子供には煙たがられているコワルスキーにとって唯一の本音で向き合える相手になる。
#悲しい #味わい深い
『ル・アーヴルの靴みがき』
生業(なりわい)の伝授を通して描かれる、無償の友愛精神
フランスの港町で靴磨きをする老人マルセルは、アフリカから密航してきた少年と出会い、彼の母が住むロンドンへ逃がすため奔走する。「何か手に職をつけた方がいい」とマルセルは少年に靴磨きの仕事術を伝授するのだが、その無償の友愛精神に溢れる振る舞いが素晴らしい。
#味わい深い
『ビッグ・ダディ』
悪ガキコンビのように微笑ましい、肩を並べた立ちション
怠惰な生活を送るソニーは、ひょんなことから友人の子供ジュリアンを育てることに。ある日、飲食店でジュリアンは尿意を催すが、お店はトイレを貸してくれない。そこでソニーは彼と路上で肩を並べて立ちションを決行。その姿は、親子というより悪ガキコンビのようで微笑ましい。
#癒やされる
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
追われる詐欺師と追うFBI捜査官が、立場を超えた友情を築く
父の失業をきっかけに両親の離婚を経験した16歳のフランクは、お金に執着を持つように。パイロットや医者、弁護士と偽りながら小切手詐欺を働いていく。そんな彼を追うのがFBI捜査官のカール。いわば敵同士の2人だが、次第に互いの孤独を埋めるように不思議な友情を築き始める。
#アツくなる #味わい深い
『マイ・インターン』
若き女性社長の人生の分岐点に現れたのは、70歳の老人だった
急成長を遂げた通販会社の若きCEOジュールズは、70歳の老人ベンを直属のシニアインターンとして嫌々ながら迎える。最初は無視するものの、同僚には慕われ、良き仕事をする彼を次第に信頼するように。人生の先輩であり友として、ジュールズは家族や会社が抱える問題をベンに打ち明ける。
#共感できる #癒やされる
『菊次郎の夏』
少年と“大きな子供”による、寄り道だらけの冒険譚
祖母と2人で暮らす小学生の正男は、近所に住む中年の菊次郎と生き別れた母を訪ねる旅に出るが、菊次郎には保護者意識がまるでなく、行く先々で正男と悪事を重ねる。時に本来の目的を見失っているのではないかと疑いたくなるその遠回りな旅路は、少年と“大きな子供”の冒険のようだ。
#考えさせられる #癒やされる
『カールじいさんの空飛ぶ家』
大事な思い出を手放し、未来へ一歩踏み出すためには友情が必要だ
78歳のカール老人は、亡き妻との思い出が詰まった家に大量の風船を取り付けて空を飛ぶ。しかし、近所の少年ラッセルが隠れていたからさあ大変。紆余曲折ありながらも冒険の過程で2人の間に生まれる友情は、命よりも大事なその家をカールが手放す、その後押しにもなるのだった。
#アツくなる
間に合った……が沁みる
ギリギリの瞬間での救出劇のことを「ラストミニッツ・レスキュー」と言う。発明したのはアメリカ映画の父とも呼ばれるG・W・グリフィス監督。100年以上の時を経ても数々の名作が生み出され、その多くが沁みる映画だ。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
最も壮大なラストミニッツ・レスキューの一つ
指パッチンで世界の人口が半分になる恐るべき力を得た強敵サノスの前に、立ち向かっていたキャプテン・アメリカたちはなすすべもなく敗れようとしていた。万事休す。が突然「オン・ユア・レフト(左から失礼)」と、かつてキャプテン・アメリカが仲間を追い越す時に放った一言が聞こえる。
#アツくなる
『駅馬車』
これでおしまいか……と諦めた瞬間に鳴り響くラッパの音
アリゾナからニューメキシコへと向かう駅馬車に、何人かの男女が乗り合わせる。しかし旅の終盤、アパッチの襲撃に遭遇。必死の抵抗も虚しく、乗客は一人一人と撃たれていく。これでおしまいか……と諦めた瞬間、ラッパを鳴らして颯爽と登場する騎兵隊。一度観たら忘れられない。
#アツくなる
『トゥルー・クライム』
麻酔が注入された直後に晴らされる死刑囚の無実の罪
翌日に刑が執行される予定の死刑囚ビーチャムに取材した新聞記者は、事件に疑問を抱き、無実の罪を晴らすために奔走。しかしビーチャムは結局、処刑台に拘束され、麻酔や筋弛緩剤の注入が始まったその直後、州知事から処刑の中止命令が。まさに「間に合った……」とため息をつくラストだ。
#アツくなる #考えさせられる
『コヴェナント 約束の救出』
絶体絶命かと思いきや謎の救出隊が現れる
アフガン紛争に従軍していたアメリカ人のジョンは、現地通訳アーメッドに助けられて帰国。しかし、そのせいでアーメッドがタリバンに狙われていると知る。救出に向かうも、橋の上に追い詰められもはや絶体絶命。その瞬間、心当たりのない救出部隊が現れたのだった。
#アツくなる
『アルゴ』
電話というありふれた小道具による見事な演出にしびれる
在イランアメリカ大使館で人質事件が発生。CIA工作員たちは映画撮影と偽って救出へ。現地の空港の警備隊長は、彼らの身分を確認すべくハリウッドに電話をかける。ベルだけが虚しく鳴り響くなか、ギリギリで受話器が取られて作戦は続行。電話をかくもサスペンスフルに活用するとは!
#アツくなる
『タクシー運転手 約束は海を越えて』
危険を顧みず送迎するほどの義理はない。ただ、気がかりだった
ソウルのタクシー運転手、キム・マンソプは、高額な運賃でドイツ人記者のピーターを光州へと運んだ。彼の目的は市民のデモに対し軍が暴虐の限りを尽くしている事実を記録すること。キムは一度引き返すが、そこで見た出来事が気がかりで、ピーターをソウルに連れて帰る決意をする。
#アツくなる #考えさせられる
『素晴らしき哉、人生!』
人間ドラマにも、ラストミニッツ・レスキューはある
運に見放されて生きてきた主人公ジョージ(ジェームズ・スチュアート)は、それでも人に親切に、希望を捨てずに生きてきた。しかし家族が帰宅を待つクリスマス当日、会社の大事な資金8,000ドルを紛失。これがないと会社は潰れてしまう。自殺を決めたジョージを、天使は見ていた。
#癒やされる
『男と女』
間に合ったことで結ばれた男女の愛
それぞれ愛するパートナーを失った男女が出会い恋に落ちるが、忘れられない過去が恋路を阻む。男は車に、女は電車に乗り、別々の道を歩もうと決意した2人。しかし、女が駅に到着すると、そこには進路を変更した男の姿が。もし男が間に合わなければ、2人は永遠に結ばれないままだっただろう。
#キュンとする
『127時間』
最後の望みは、過酷なセルフレスキューだった
登山家アーロンは、人けのない峡谷に落下し、岩に右手を挟まれてしまう。以来6日間、飲まず食わずで脱出を試みた彼は、意を決して安手のナイフで腕を切断してセルフレスキュー。しかし、出血多量で意識は朦朧。死は免れないと確信した彼は、偶然通りかかった登山客に救われるのだった。
#考えさせられる
『ミスト』
ラストミニッツ・レスキューを逆手に取った、トラウマ級のラスト
突如発生した霧と姿の見えない危険生物によって、スーパーマーケットに閉じ込められたデヴィッド(トーマス・ジェーン)。数名の生存者と息子と車での脱出に成功したが、ガス欠によって不利な状況に追い込まれてしまう。「怪物に食われる前に」と、家族を自分の手で殺(あや)めることを決意する。
#不思議な気持ち