魚座の星模様
ままならなさを愛して
14日、魚座にとって「人間関係·社交の部屋」であり、結婚やパートナーシップを意味する場所で乙女座満月が起こります。ここは、“自己を知る鏡”になる相手が現れる場所でもあります。
魚座の対向にある乙女座は、何かを見つけたらすぐに顕微鏡で観察するような、細かい分析のエッセンスを持っています。
それを浴びて、この乙女座新月から乙女座満月までの半年間では、物事を見る解像度が上がり、認識も変わっていくことがあったかもしれません。見えなかったものが見えるようになり、目から鱗が落ちるような驚きを経験しやすい期間でした。
今週の乙女座満月には、「野心を燃やし尽くし、シンプルさを愛する」というメッセージが表れています。あらん限りの力を出し、あとは静かに結果を待つ、というイメージが浮かんできます。“他者”というままならない存在と真剣に向き合うことで、心の底から「人は人、自分は自分」と思え、他者の目が気にならなくなりそうです。
さらに、満月には牡牛座エリアの天王星(改革・刷新)が調和的に繋がっています。頼りがいがありフランクな友人に助けられるとき。自分とは違う視点や価値観を教えてもらえるでしょう。
また、牡羊座エリアでは水星(知性)と金星(愛と喜び)がともに逆行しながら距離を縮めていきます。自分にはどんな才能があるのかを見直すと良いタイミングです。また、持ち物の整理整頓をするのも良いでしょう。
今週の全体の空模様
ざわめく波間に見えるもの
「では、人間とはいったい何という怪物だろう。何という新奇なもの、何という妖怪、何という混沌、何という矛盾の主体、何という驚異であろう。あらゆるものの審判者であり、愚かなみみず、真理の保管者であり、不確実と誤謬との掃きだめ。宇宙の栄光であり、屑」
──『生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる』下西風澄/文中引用:パスカル『パンセ』断章434
今週14日に乙女座満月が起こります。この満月は皆既月食を伴います。月食は占星術的に凶兆と見なされており、喪失体験を表すとも言われています。今週は、何かを失ったり、もしくは失いそうになったりすることによって、その大切さがはっきりと見えてくるでしょう。
乙女座は古来、「分析・解剖」「事実やデータをしっかり見つめる」といった性質と関連づけられてきました。
乙女座新月から今週の乙女座満月までの半年間では、それまではっきりと触れられてこなかった事柄が明言されるようになったでしょう。物事の輪郭が浮かび見え、隠蔽されていたものは暴かれてきたかもしれません。
ただし、今週からは、そうして明らかになったことに対して他の人が自分とは全く異なる認識をしていると気づき、愕然としてしまいます。自分と相手とで対象への解像度に差がありすぎて、議論にたどり着くことすら難しいという状況に見舞われそうです。
また、発覚した問題の根深さにひるむこともありそうです。そこからさらなる混乱が起こってしまうかもしれません。
いっぽう、この半年間は、自然のサイクルに沿った生き方、動物として健康的に過ごしたいという気持ちが強まるときでした。今週、満月と天の高い位置にいる天王星(改革)とが繋がって、手助けをしてくれそうです。他者と力を合わせる大切さに気づき、協力相手を見つけに行けるでしょう。
15日、牡羊座エリアの水星(知性・コミュニケーション)が逆行を始め、同じ牡羊座エリアを逆行中の金星(愛と喜び)に重なっていきます。自分の中で感じる喜びに対して素直になれないことがあるかもしれません。シンプルに考えればすぐに答えが出るのに、あえて複雑な考え方を選んでしまいそうなときです。

あの人も、家で瓶ビールを楽しんでいます。Vol.3 滝口悠生「日常の中で味わう、小さな幸せ」