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スタイリスト・伊藤まさこの人生最高のお買いもの「フランスの柳のカゴ」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。スタイリスト・伊藤まさこさんのベストバイ・ストーリーは?

初出:BRUTUS No.1000「人生最高のお買いもの。」(2024年1月11日発売)

photo: Satoshi Nagare / text: Masae Wako

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手入れして長く使う喜びを知った、カゴ好きの原点

高校から帰る途中にあった自由が丘のお店で、確か3万円台で買いました。高かったけれど、なんだか自分が持っていた方がいいような気がして。時々、固く絞った布で拭いて、日陰干し。いい素材でしっかり編まれているから、全くへこたれることがないし、使うほどに味わいも増す。

今も続くカゴ好きの出発点です。それに、「いいものは手入れすれば長持ちする」というモノ選びの指針を教えてくれた買い物でもあるのかも。例えば旅先の民芸品店でホコリをかぶった山の中からでも「手入れすれば、良いもの」を見つけられる、そういう目が養われたと思います。買って満足ではなく、そこからの人生を共に歩んでくれるもの。それが私のベストバイです。

「フランスの柳のカゴ」
横幅30㎝ほどある大ぶりのカゴ。「カゴに限らず“買って大切に使って、誰かに譲る”ことも多いのですが、これだけはずっと手元に置いて使ってます」

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