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古舘佑太郎・枝優花・塩塚モエカが語らう 「いま“はじめる”ということ」

ステイホームが増えると、ぽっかりと空いた時間には新たな趣味や興味の対象を見つけたくなるもの。「新しくはじめること」を後押しすべく、フリマアプリのメルカリがギターオーディションを開催。3月1日から募集がはじまったのはエレキ、アコースティック、ウクレレと、誰でも演奏動画を投稿することで参加できる「オールギター部門」と、ギターを弾いたことがない人でも、ギターを持っている写真だけで応募できるユニークな「ギター写真部門」まで、幅広い参加者を募集中だ。 そこで新しくはじめる心得を、ミュージシャン・俳優の古舘佑太郎さん、映画監督の枝優花さん、ロックバンド・羊文学ボーカルの塩塚モエカさんの3人に語ってもらった。それぞれ第一線で活躍しながら、お互いに刺激し合う彼らのおしゃべりには、新しいことに向き合う楽しさが詰まっていた。

Photo: Kenya Abe / Styling: Fujii Kie / Hair & make: Yoko Fuseya(ESPER) .kika / Text: Emi Fukushima

2020年に見直した、 暮らすこと、選択すること。

枝優花

なんかそわそわするね。私は2人とプライベートでもちょこちょこ会っているから。

古舘佑太郎

改めて面と向かうと変な感じがする。でも実は塩塚さんとは初対面なんだよね。

塩塚モエカ

そう、お互いに音楽をやっているし、会ったことがあるような気がしてたんだけど、意外にも……。

なんか2人とも、人見知りしてない?(笑)

塩塚

(笑)。

古舘

なんか緊張しちゃって(笑)。去年は世の中全体が大きく変化した1年だったけど、2人の生活には何か変化はあった?

私は生活を見直しはじめたかな。1日にきちんと3食とるとか、夜にきちんと眠るとか。普通のことなんだけど、あまりにも今までできていなかったから。

古舘

そうなんだ。

単純に言うとそれまでは働きすぎていて。心と体の健康もおざなりで、インプットも足りず、ずっと酸欠で走っているような状態だった。それが4月、5月とまるっきり仕事が止まって。あまり声を大にしては言えないけど、ある面では自分にとっては良かったなとも思っている。

塩塚

そうだよね、立ち止まるのって大事なことだよね。

うん。私は現場のアシスタントを経て、助監督を経て、という映画監督としてのいわゆる”正規のルート”を踏んできたわけではなく、いきなり監督としてぽーんと業界に飛び込んだから、自分を追い込むことで正当化していたところもあったんだよね。

それってどこかで無理がくるなということにこの自粛期間で気づくことができた。映画をつくりたいのはもちろんだけど、それだけじゃなくて自分の人生を俯瞰的に見た時にどうしたいのかを真面目に考えはじめたというか。古舘さんは何か変わったことってある?

古舘

僕は18歳の頃からずっと会社に所属して音楽の仕事をしていたんだけど、昨年ちょうどバンドとして独立したんだよね。そしたらすぐに新型コロナの影響で世の中が止まりはじめて。最初はタイミングが悪かったかなとも思っていたんだけど、逆に独立していたからこそ、誰の許可もなくすぐに動けるのが本当にやりやすかった。

全決定権が自分にあるので、音楽に集中しようと思ってやめていたお芝居の仕事ももう一回はじめて。それが、枝ちゃんが監督を務めるテレビ東京のドラマ『あのコの夢を見たんです』だったんだよね。

随分ひねくれた役をやらせてしまいましたが……。

古舘

いやいや(笑)。久しぶりだったのでどうなるかなと思っていたんだけど、枝組の空気感が、20歳の時にはじめて演技をやって楽しいと思った現場の空気感とすごく近くて。何やっても許してくれるんだよね。

ト書き以外のことをやっても笑ってくれる。それで「ああ、やっぱり芝居って楽しいんだな」と思って、またちょこちょこやりはじめた。

それは私も嬉しいな!

古舘

タイミングが少しでも違えば断っていたと思うので、合致してよかったなと。

「はじめる」ことに、「もの」はつきもの?

塩塚さんは、何か変化はあった?

塩塚

仕事とはあんまり関係ないんだけど、ライブができなくなったので、体を動かしたいなとダンスをはじめた。

古舘

いいね!

ダンスのジャンルは?

塩塚

本当はコンテンポラリーをやりたかったんだけど、自分の筋力がなさすぎてうまくいかなくて(笑)。まずはバレエの超初級をはじめた。体を動かすとスッキリしてすごくいいよ。

新しいことをはじめる時って、人の目を気にしてびくびくしがちだけど、ダンスは自分にとって全く新しい挑戦で、できなくて当たり前。周りの人から学んでみよう、成長する自分を楽しもうと素直に思えたのは久しぶりの経験だった。

確かに、大人になると新しいことってなかなかはじめづらくなるよね。だからすごくいいと思う。それが「健康になる」っていう方向なのもいいな。

塩塚

枝さんは、サウナを極めてるじゃん!

あ、そうそう。サウナは本当にストレス発散になる! 一回空っぽになれるというか。

古舘

サウナ、僕もよく行くよ。日頃抱えている悩みなんかが、自然とふわっと軽くなるよね。

あの体験をサウナ以外の日常生活で再現しようとすると結構難しい。当たり前だけどスマホが持ち込めないので、本当に一人の時間にもなれるし。

塩塚

うん、体にも心にも良さそうだよね。私もはじめてみたいな! どうしたら自分の体が快適になるかを常々考えていて……っておばあちゃんの会話みたいだけど(笑)。

(笑)。でもわかる。

塩塚

朝に目が覚めて、体が冷え切っていたりするとすごくテンションが下がる。でもなかなか運動は億劫だし、走ろうと思ってもまずはウェアや靴を買わなくちゃって。

急に準備しなきゃいけないこととか、やらなきゃいけないことが出てくるよね。それこそ、何かはじめる時に必要なものは、まずメルカリで見るかも。2人はメルカリって使う?

塩塚

よく使ってる。特に学生の頃はあまりお金をかけずに新しい演奏機材をたくさん試したいなと思って、よく利用していた。

例えばギターの音を変化させるエフェクターって、普通だと1個数万円したり、海外から輸入しないといけなかったりするんだけど、メルカリでは結構流通していて。あとは、勉強するかわからないけど一応持っておきたい音楽の教則本も買ってたな。

古舘

うちのバンドメンバーもよく買ってるね。

気軽に手を出しやすいよね。私はコロナ禍で生活を見直す流れで、家で過ごすことが増えたから、家具とかインテリアを見るのがどんどん好きになった。海外製の家具とかって、新品で見るとめちゃくちゃ高いんだけど、それがメルカリを見ると、安く売っていたりする。そんなのをチェックしてるかな。

でも続けていると、どんどん「オススメ」で似たような小物が出てくるようになって、もう沼にハマってしまう……。

古舘・塩塚

うわーわかる!

古舘

僕もめちゃくちゃ使うのよ。この前も『女刑事ペルソナ』って漫画を全巻メルカリで買った。小学生の頃に親戚のお兄ちゃんにもらったことがある漫画なんだけど、セクシーな女性がたくさん出てきて、当時の僕にとっては内容が過激で。読んでいるのがバレたら姉や母親に怒られると思って、家の外の草むらの中にビニールに入れてパックに入れて保存して隠していたの。

それである日「今だ」と思って開けたら、梅雨を経て誌面からキノコが生えちゃっていて(笑)。結局読まずに捨てたんだけど、それを去年ふと思い出して、無性に「読みたい」と。絶版になっていて探すのに苦労していたんだけど、ようやく見つけたのがメルカリだった。

一同

(笑)

なにそのエピソード(笑)。読んでみた感想は?

古舘

まあ、青年向けのエロい漫画だからね……。大人になったなって(笑)。

「やりたい」気持ちに正直に、まずは飛び込んでみよう。

はじめると言えば、そもそも2人はどうしてギターをはじめたの?

塩塚

小学生の頃に、YUIさんが流行っていて憧れたのが始まり。ちょうど仲の良い友達が、ギターを持っていたこともあり、私もギターやりたくなって。当時私はピアノを習っていたんだけど、両親に買ってもらったのがきっかけ。古舘さんはどんなきっかけだった?

古舘

僕が中学生の時に、姉がギターを買ってもらったんです。だけど、すぐに飽きて放置されていて。僕は当時スポーツに熱中していたから、最初は全く興味がなかったんだけど、アコギケースにクモの巣が張っているのを見て、なんかかわいそうだなと思いはじめて……(笑)。

そこで、僕が弾けるようになったら、みんな驚くんじゃないかなと、ノリで弾きはじめたのがきっかけ。そこからハマって今に至るというわけ。

2人とも思い立って自然とはじめたんだね。最近SNSで「挑戦する前に、躊躇してしまってなかなか踏み出せない」っていう悩みをよくもらうから、「新しいことをはじめる」についてよく考えていて。

古舘

へえ! 

塩塚

ああ、インスタグラムで質問を募集した時に、私ももらったな。

自分自身は、幼い頃からとにかく映画に関わる仕事が早くしたくて、そのために生き急いできたから挑戦するってことに一歩気後れしてしまったり、自分なんてって足踏みしてしまったりする人がこんなにいることをはじめて知った。

古舘

なるほどね。

でもみんなどこかで、「ただやればいいんだ」ってことをわかっているんだと思うんだよね。やってダメだった時にショック受けたくないとか、自分のレベルの低さに気がつきたくないとか、自分で責任を負えないだけ。

だから私は、無責任にも「やればいいじゃん」って言うようにしていて。「ダメだったら辞めればいいんだよ」って。ほんのちょっと背中を押してほしいだけなんじゃないかな。

古舘

そうかもしれないね。それでいうと、今回のメルカリのギターオーディションはいい機会だよね、発表する場があるっていうのは。

塩塚

目標と期限があると一気に前進するからね。去年はじめたばかりのダンスも、発表会があったから練習するようになったし。結果を残そうというよりも、発表の場を一個のきっかけにするといいかも。

古舘

なかなか勇気が出ないと尻込みをしてしまう人もいるかもしれないけど、特にギターって、へただからダメ、うまいから良い、ということでもなくて、楽しく弾けることに価値がある。その垣根が越えられるといいよね。

塩塚

私も最初に作った曲なんて、酷かった。当時はよくできたと思ったけど、冷静に考えたら、メロディもない、お経みたいな曲だったし(苦笑)。それは自分の尊敬しているアーティストも同じで、みんな最初は粗削りなところがある。

それでも、楽しんで曲を作り続けていたら、自然とメロディの動かし方が摑めてきたり、言葉の置き方がわかってきたりすることもある。あとは、練習で全然できなかったことが、ライブみたいなハードルを一回経るとできるようになることってない?

古舘

ある! それ、すごくわかる。100回くらいリハーサルをやっても変わらないけど、ライブ一本やるだけで、変わるんだよね。

塩塚

あれってなんなんだろうね。集中するのかな?

本番の力ってことなのかな?

塩塚

とにかく、考えるより、やってみようってことだね。

人間の行動心理学的には、体を先に動かして、気持ちを後から追いつかせるというパターンもあるんだよね。落ち込んでいる時に、わざと大きい声を出した方が、気分が上がってくる、みたいな。

それと同じで、明確な夢や目的がない私なんかが……と思ってしまうと身動きが取れなくなるから、とりあえずエントリーしてしまって、後から「どうしよう」「なんとかしよう!」と気持ちや体を追いつかせる。そういうやり方もいいのかもしれないね。

古舘

にしても、やりたいことはやった方が楽しいよね! というか、僕なんかはやりたいと思ったらやらずにはいられない……。

塩塚

そうなんだ。

古舘

普段道を歩いていても、「この道路脇の植え込み、なんか飛び越えたいな」と1回思っちゃったら、恥ずかしいけど、飛んでみるし、それでコケて傷を負うこともある。

あとはデパートを歩いていて見かけた商品の感触が気になったら、その場所に戻ってでも絶対に触る。ここで今触れなかったら一生損する気がしてパニックになるんだよね。とにかく一度思い立ったことはやり終えたい!

塩塚

ちょっとこわい(笑)。

でも、ちょっとわかる……。高いところに登ると、持っているものを全部投げ捨てたくなるんだよね。やっちゃいけないことをなぜかやりたくなる。

古舘

あとは映画館で映画を観ている時、静かなシーンで「フォー!」とか大声を出したくなっちゃう。

思ったが最後、言わずにはいられなくなって、映画自体から大きい音がなる爆発のシーンとかに紛れて声を出す。だから大爆発のシーンがある映画じゃないと観に行けないんだよね。

一同

(笑)

……というか、話が脱線しすぎ(笑)。

オールギター部門・ギター写真部門
【応募】2021年3月1日(月)〜3月31日(水)
クラシックギター部門
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