週末の酒がうまい、BRUTUSの聞くレシピ Vol.45「本格ホイコーローとジャスミン紹興酒」

最近、周りに料理上手な友達が増えてきた。どこの料理人から教わったのか、ちょっとしたひと手間で、ゲストを喜ばせたりして、なんだか羨ましい。自慢の一品をサラッと作れるスキルがあれば、週末の酒はもっとおいしくなるはずだ。気負わず簡単に作れる、とっておきのレシピを教えてくれるのは、料理家で〈and recipe〉主宰の山田英季さん。さて、今回のメニューは……


前回ホットドック 春菊のマスタードサラダと、サッポロ生ビール黒ラベルも読む。

photo & text & recipe: Hidesue Yamada

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去年、久しぶりに中国に行ってきた。場所は雲南省、ずっと行きたかった場所なので、心は、ジャンプしながら踊っていた。

中国に行くと、炒め物が食べたくなる。大火力のコンロの上で、大きな中華鍋を振り、その中でダンスをする食材はあっという間に美味しそうな炒め物になっていく。肉はジューシーで、野菜もピンとして食感が豊かなところが好きな理由だ。

この連載の収録の聞き役である編集者の村田さんも台湾に少し住んでいたことがあるので(中国にも旅行で何度も行っているとか)、中華料理の話、紹興酒や白酒の話で盛り上がることもしばしばである。

その彼が、今回は本格ホイコーローをご所望のようなので、早速作っていく。

ポッドキャストで作り方を聞く

まずは豚バラ肉を5cm幅に切る。キャベツは、肉と同じぐらいになるように手でちぎる。手を使った方が、包丁よりも不均一な美味しさが出ると思っているからだ。ピーマンは大きめに切った方が、存在感が出ていい。

もう少し、歯応えのある食材も入れたいと思ったので、皮を剥いたレンコンを1cmほどに切り、加えてみることにした。

ホイコーローの野菜は食感を楽しむためにも、ゴロッと大きめにするのがおすすめ。レンコンを加えることで、さらに歯応えの変化も楽しめる。キャベツは重なったままだとフライパンでほぐす際に加熱時間が長くなってしまうので、できるだけほぐしておく。

食材の準備ができたら、炒めていく。最初にフライパンでサラダ油を温めて、キャベツとピーマンをさっと炒める。本格中華なら、油で素揚げをするところだが、わざわざ揚げ油を用意するのも面倒なので、油が絡む程度に先に炒め、皿に取り出しておく。

フライパンの残った油に、豚バラ肉とレンコンを放り込み、軽く塩を振ったら、豚肉の色が白っぽくなったところで、フライパンを傾けて油を溜め、ニンニクの薄切りを加える。

ニンニクがほんのり色づいたら、全体を混ぜながら炒める。

レンコンに火が通ったら、豆板醤(トウバンジャン)と一味唐辛子を入れて、水分を飛ばすように炒め、そこへ、豆豉醤(トウチジャン)と甜麺醤(テンメンジャン)を加えて豆板醤に混ぜながら炒める。

醬(ジャン)を組み合わせることで、風味が重なり、美味しさを爆発させたところで、醤油と砂糖、紹興酒で味を調える。

豚肉とレンコンを少し寄せてスペースをつくったら、豆板醤を入れてフライパンの油で溶いていく。さらに豆豉醤と甜麺醤、醤油も加え、4つの醬(ジャン)の旨みを掛け合わせる。もっと辛さが欲しければ、このタイミングで一味唐辛子を足してもいい。

クライマックスは、炒めたキャベツとピーマンを戻して、一気に混ぜながら炒める。ここでチンタラしていたら、せっかくの野菜の食感が、ヘタヘタのクタクタになってしまうので、スピード重視である。

先に炒めてあるので、温め直しながら、味を絡める程度で十分だ。

先ほどの醬が溶けたら、ここからは時間との勝負。キャベツとピーマンをフライパンに戻して、混ぜながら炒める。調味料が全ての具材と絡んだら完成だ。

炒め物は出来上がったら、すぐに皿に盛り付けて、食べなければナンセンスである。熱々のホイコーローには、紹興酒の熱燗を淹れたてのジャスミンティーで割った「ジャスミン紹興酒」がピッタリだ。

口の中の醬の香りと豚肉の油は、華やかなジャスミンと芳醇な紹興酒の香りへと様子を変える。これぞ本格派。なかなか美味しいではないか。

本格ホイコーローとジャスミン紹興酒

材料(2人分)
・豚バラ肉……150g
・キャベツ……1/8玉
・ピーマン……2個
・レンコン……100g
・ニンニク……1かけ
・豆板醤……小さじ2
・一味唐辛子……お好み
・豆豉醬……小さじ1
・甜麺醤……小さじ1
・紹興酒……大さじ1
・醤油……小さじ1/2
・砂糖……小さじ1/2
・塩……少々
・サラダ油……大さじ2

作り方
① 豚バラ肉は、5cm幅に切る。キャベツは、豚バラ肉と同じぐらいの大きさになるように手でちぎる。ピーマンと皮を剥いたレンコンは大きめの乱切りにする。ニンニクは薄切りにする。
② フライパンでサラダ油(大さじ2)を温め、キャベツ、ピーマンに軽く火が通るように1分ほど炒め、皿に一度取り出す。
③ 豚バラ肉とレンコンを入れて、軽く塩を振り、豚肉の色が白っぽく変わってきたら、ニンニクを加えてさらに炒める。
④ ③に豆板醤と一味唐辛子を加えて炒め、風味を出してから、豆豉醤と甜麺醤を加えて、軽く炒め、醤油、砂糖、紹興酒を加えて全体を混ぜる。
⑤ ④に②の野菜を戻し、強火で混ぜながら、炒め合わせる。

女児紅《春風からくち》500ml
合わせたお酒は、女児紅《春風からくち》。すっきりとした味わいで常温のストレートでも美味しく楽しめる。今回は熱燗にした紹興酒を、急須で入れたジャスミンティーを、1(紹興酒):2(ジャスミンティー)で割っていただく。ホイコーローの醬と油の強い味付けを、温かなジャスミンの香りで切ってくれる。アルコール度数16%、1,980円(編集部調べ)。

本日のおすすめ調味料:《老の川 ピーシェン豆板醤》
原料のそら豆の形が残っているほど、あらごしで、香りのよい豆板醤。辛味が少ないので、四川豆板醤と混ぜたり、唐辛子を加えるのがおすすめ(山田さん)

老の川 ピーシェン豆板醤

料理初心者の担当編集より
今回一番の学びは、なんといっても家庭版の“油通し”。キャベツ、ピーマンのシャキシャキ食感を楽しむためにも、このひと手間をサボらないことを2026年の元日に誓いました(村田)

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