時計とスタイル:スタイリスト・小林 新のケーススタディ

シャツの袖と自然に馴染むか、リングとのバランス感は絶妙か。あるいは、腕から外したときにどのように飾るのか。どの一本を選び、どう付き合うのか、そこに“スタイル”というものが生まれるのかもしれません。スタイリスト・小林 新が語る時計とスタイル論。

photo: Shinsaku Yasujima / text: Keiichiro Miyata

時計も、収納ケースも、手仕事を感じられるものがいい

「せっかく気に入って持っている時計だから、腕から外した後も目いっぱい楽しみたい」という思いから、小林新さんは時計の収納ケースにも“自分好み”を突き詰めている。

人生の一つの目標だったという〈パテック フィリップ〉の「カラトラバ」を手に入れたときは、その収納用に、木工作家の井藤昌志によるブランド〈IFUJI〉のボックスを購入。

「職人の手仕事を感じる、曲げわっぱと機械式時計が合わないはずがない。自分のルーツの伝統が加わると、世界に数ある『カラトラバ』が僕だけの道具に見えてくる。何事も周りと被りたくない意識がこんなところにも表れています」と収納ケースにも強いこだわりがある。

〈J.W.ベンソン〉がデニソン社製のケースを採用した1930年代のもの、〈オーデマピゲ〉の金無垢のブレスレットウォッチ、ベルトを付け替えた〈ロンジン〉の50年代の角形時計.jpg
秋はレザーベルトの気分。左から、ベルトを付け替えた〈ロンジン〉の50年代の角形時計、〈オーデマ ピゲ〉の金無垢のブレスレットウォッチ、〈J.W.ベンソン〉がデニソン社製のケースを採用した1930年代のもので秋の装いを飾る。

より着用頻度の高い時計は、リビングに置いている箱根寄せ木細工のトレーの上。季節ごとスタメンを入れ替え、一緒に合わせるアクセサリーと並べて部屋にディスプレイする。

「ここはパーソナリティが色濃く表れる場所でもあります」と話すように、30代はもっと権威を象徴するような一本が置かれていたそう。今は、〈オーデマ ピゲ〉の1970年代製のスクエアウォッチのように、「肩肘張らずにジュエリー感覚で取り入れるようになりました。これも大人の余裕かな(笑)」と変化したそう。

毎日一緒に出かけられるのは1本だけだが、残りも部屋のワンコーナーを飾り、一刻一刻と小林さんといい関係が育まれている。

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