時計とスタイル:アーティスティックディレクター、ラムダン・トゥアミのケーススタディ

シャツの袖と自然に馴染むか、リングとのバランス感は絶妙か。あるいは、腕から外したときにどのように飾るのか。どの一本を選び、どう付き合うのか、そこに“スタイル”というものが生まれるのかもしれません。アーティスティックディレクター・ラムダン・トゥアミが語る時計とスタイル論。

photo: Alexandre Tabaste / text: Keiichiro Miyata / coordination: Masaé Takanaka

世界中どこでも目立つ時計だからできるだけ街にまぎれる格好で

デザイナー兼実業家として世界中を飛び回る、ラムダン・トゥアミ。ヴィンテージの〈ルクルト〉を筆頭に、愛用する時計は入手困難なものばかりだという。コンディションは、「できるだけ古びたものがいい」という理由から傷や色褪(あ)せた使用感がある。その気取らなさが自身のスタイルとなっている。

「高額な時計を着けるときほど、街にまぎれるような普通の格好をしたいんです。それは防犯面を意識してのことでもありますが、単純にそういう一見チープシックな装いが好きなんです」

たまに腕に着けずに出かけることはあるそうだが、大切な人と会うときや大事なミーティングが控える日は欠かさないという。

「どんな装いでも、ある程度の時計を着けることで“私もあなたの仲間です”という証しになります。財力をアピールすることだけが目的ではなく、珍しいものを手に入れるネットワークがあることや、自分なりのセンスを示すことが会話を交わさずにできてしまうから。言語化が難しいことや、わざわざ口にするほどでもないことを、ただ腕に着けただけでスマートに表現できます」

〈ブランパン〉が1953年に発売した世界初のダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス」の初期モデルも愛用。

また時計を知ると、同じように自分の器や質を発信している人の本質にも気づけるようになるという。「言語がいらない世界共通のコミュニケーションツールとして、市場価値以上の魅力を感じています」

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