浜松張子に伝わる夫婦だるま
静岡県浜松市に伝わる伝統的な郷土玩具に、「浜松張子」があります。個性的なだるまの種類が豊富なことで知られており、その中から今回ご紹介するのは、表裏で異なる表情を持つ「両面だるま」です。1対の男女のだるまを背中合わせにした構造から「夫婦だるま」とも呼ばれており、家内安全や夫婦円満などの願いを込めた縁起物として愛されてきました。

浜松張子の始まりは明治初年に遡ります。旧幕臣の三輪永保(ひさやす)が、張り子人形の制作技術を江戸から浜松に伝え、制作を始めたとされています。第二次世界大戦の浜松空襲では工房と木型が焼失してしまい、一時途絶しましたが、戦後は永保氏の娘である二橋志乃氏が木型を復元して再開されました。現在は志乃氏の孫である鈴木伸江氏が継承し、作り伝えられています。
